子宮頸がん検診のスクリーニングシステム-MobileODT

CATEGORY: STARTUPS

TAG:

近年、女性に多くみられるがんに、子宮がん,子宮頸がん,乳がんなどがあります。女性は男性に比べて、比較的若い段階からがんに罹患しやすいのが特徴です。特に女性特有のガンの罹患率は、30代以降で増加傾向にあり、全体のがんの中でも女性特有のガンが占める割は50%に及ぶといわれています。(厚生労働省「平成20年 患者調査」)

そのような女性特有のがんの中でも、罹患した際の死亡率が2番目に多い子宮頸がんについて、最近身近なモバイル端末を使った検診システムが注目を集めています。

子宮頸がんとは-子宮頸がんの危険性と検診の重要性

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が主な原因とされ、世界的にも罹患率、死亡率は増加傾向にある女性特有のがんです。毎年50万人もの女性が新たに罹患し、約25万人が命を落としています。特に発展途上国での患者数が大変多く、世界全体で女性の部位別がん死亡の第2位を占めています(世界保健機関 2008年)。

また、米国にある米国家庭医学協会(AAFP)によると、年間で約55万人の米国女性が子宮頸部細胞診(パップテスト)の健診を経験しており、そのうち年間4万人の米国女性が子宮頚部に異常な結果が見られるとの診断結果を受けています。

子宮頸がんの早期発見には、定期的な婦人科検診が不可欠です。ですが、こうした婦人科がんを扱う病院は、都市部や総合病院などに集中し、専門の医療機器を必要とします。そのようなハードルの高さから、受診の機会を逃しているエリアがあるのが現実です。

そこで、登場するのがモバイル端末を使い、正確に検診をスクリーニング(迅速簡便な検査によって複数の人から特定の病気が疑われる人を選び出すこと)できるEVAシステムなのです。

EVAシステムとは-モバイル端末で可能になる子宮頸がんのスクリーニング

MobileODT_2
(出典:MobileODT公式ページ
イスラエルのMobileODT社(以下MobileODT社)の開発したEVAシステムは、こうした子宮頸がんなどの口腔系の検査を遠隔地においても手軽に、そして正確に行う事が出来る画期的なシステムです。

現在、世界人口70億人のうち、半数以上の50億人の人々が携帯電話のアクセスが可能な環境にあるといわれています。ですが、そんな環境にある半数以上の人々は、医師への定期的な検診はおろか、通院さえ困難な環境にあるといわれています。そうした環境におかれた人々に大変有効なのが、スクリーニングシステムなのです。

MobileODT社のEVAシステムは、Androidモバイル端末を使ったスクリーニングシステムを採用しています。仕組みは、内視鏡レンズのついたスコープを、モバイル端末にデバイスとして装着使用するだけ。それを専用のアプリケーションを使って操作します。
デバイスの内視鏡スコープには超高輝度光源に強化されたレンズを使用しており、より可視化された強力な倍率レンズを採用しています。それにより、携帯電話でもよりクリアに正確な撮影が可能になるのです。

また、EVAシステムで使用するアプリケーションには、遠隔での検診を可能にするため、患者の情報を照会管理しやすいよう、データ設計がなされています。

キャプチャされるすべての情報や画像は、モバイルにインストールされたアプリケーションにより管理保存され、指定された担当者にのみアクセスできるように設定できます。それにより秘匿性が向上しました。

実際の医療機関での活躍

MobileODT_3
(出典:MobileODT公式ページ
MobileODT社のEVAシステムは、実際多くの発展途上国の医療機関で使用されています。ケニア、ナイロビ、エチオピアなど、発展途上国の医療機関にEVAシステムが導入されました。

導入後、正確な診断を行う事ができ、子宮頚部の変化をつぶさに調べて、適切に治療することが出来るようになりました。検診の正確性が向上しただけではなく、限られた環境のなか、低リソースでも高度な医療を受ける事が出来るようになり、各国の婦人科病院から高く評価されています。このシステムの導入が、多くの女性の命に貢献しているのです。

会社概要

会社名 MobileODT
CEO DanCaligor、Ariel Beery
設立年 2012年
拠点 本社:イスラエル 拠点:アメリカ
社員数 50人ほど
事業内容 がん(主に子宮頸がん)のスクリーニングシステム医療機器の提供と、ソリューションの提案
主な商品 EVAシステム
会社URL http://www.mobileodt.com/

メンバー紹介

DanCaligor

DanCaligor
最高経営責任者(CEO)
ビジネス諮問ネットワークのオーナー。MobileODTの事業活動の顧問であり、経営コンサルティングであり、企業立ち上げ初期段階からブーズ・アレン・アンド・ハミルトン、ベリングポイントの戦略の実践に携わってきました。EyeIC社のCOOでもありました。

その他、無線データ、医療機器、プロオーディオおよび個人の生産性を含む複数の新興企業の創設に参加しており、コロンビアビジネススクールでMBAを取得しています。

Ariel Beery

Ariel Beery
共同創設者 兼 最高経営責任者(CEO)
MobileODT社を共同設立する以前は、PresenTense社グループのグローバル最高経営責任者(CEO)として、600以上の社会的なベンチャー企業を立ち上げ、世界16都市でフランチャイズ事業を展開するベンチャー企業のアクセラレータを務めていました。

コロンビア大学で経済学と政治学の学士号を取得。ニューヨーク大学(NYU)でMPA(公共経営修士)を取得。Herziliyaにおける学際センター(IDC)で教壇にも立っており、世界中のソーシャル・ビジネスとスタートアップ開発に関するワークショップでの講演も行っています。

David Levitz

David Levitz
共同創設者 兼 最高技術責任者(CTO)
年間フォトニクスウエストの会合で「光学およびバイオフォトニクス低リソースの設定で、会議の議長を務め、2002年ロチェスター大学(ロチェスター、NY、USA)から生物医学工学/光学における学士の学位を取得。

その後、開発リソ国立研究所(ロスキレ、デンマーク)、ルンド大学(ルンド、スウェーデン)にて画像処理アルゴリズムの作業に3年ほど従事。光コヒーレンストモグラフィー(OCT)の画像からの光散乱特性の測定に成功しました。

その他、オレゴン健康科学大学にて生物医学光学系でも有数の研究グループに参加。イスラエルのポスドクフェローシップのためのウィテカーの奨学金を授与されました。

TAG

WRITER

SAKIGAKE編集部

SAKIGAKE編集部

海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
MEDIA |  |