高精度な気象予測を武器に病虫害を防除-Taranis

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2025年までに、世界の人口は80億となり、食糧が現在より30%多く必要になるとTaranis CEOのOfir Schlam氏は、2015年、マイクロソフト・ベンチャーズ・アクセラレーターのデモ・デーの時に話している。

人口増加に伴う食糧増産は人類の大きな課題の一つである。そうした背景の中、同社が開発したのは、精密農業を実現するSaaS型のプラットフォームだ。圃場の「ビッグデータ」を分析することにより、農業生産物の生産コストを下げ、生産効率を上げる。もちろん収量を上げることも可能になる。

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農業生産物の損失の9割は、天候に因るものだとSchlam氏は述べている。天候が予測できれば、薬散、潅水、施肥の的確なタイミングを判断する際に役立つ。そのために同社では、1.5km範囲内という非常に細分化された天候予測を可能にした。

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現在、精密農業を支援するツールは各社から出ているが、同社のサービスでの強みは、その精度だという。他社が病虫害の識別に重点を置く中、Taranisでは病虫害の予防を目指す。Schlam氏によると、病虫害の発生も、気象に起因することが多いそうだ。
人口衛星や圃場のセンサーから収集された情報により、病虫害が発生しやすい条件を判断し、予防的な農薬散布を行うことができる。農薬は、発生後に散布するよりも、予防的に使用する方が、コストを5分の1に抑える事ができるという。また、降雨前の薬剤散布を避けられれば、雨で農薬が流出することもなくなり、コストも抑えられる。
肥料にしても適切な場所に、適切な量だけを施し、無駄を省くことが可能となる。
既に顧客となっている生産者の中に、200,000エーカー(およそ81,000ヘクタール)という広大な圃場を所有するロシアの農業企業があるが、その圃場での的中率は97%で、1エーカーあたり30ドルのコスト削減になったという。

起業背景

実家が農家だというSchlam氏が、自らをテクノロジーおたくと呼ぶEli Bukchin氏に、天候に左右される農業生産者を支援する為、お互いの持つ知識を融合することを持ちかけたのが、きっかけだった。Bukchin氏には、イスラエル国防軍の気象モデリングに携わった経験があった。その後、間もなくして、Ayal Karmi氏とAsaf Horvitz氏の2名が加わり創業に至った。Karmi氏は、プロダクトマネージメントとデータ解析が専門、一方Horvitz氏はソフトウェア開発とデザインの分野で20年のベテランである。こうして、プラットフォームの開発には4人それぞれの持ち味を活かされることになる。

イスラエル諜報部門である8200部隊出身者によって創立されたアクセラレーター、8200 EISPからの支援を受けた後、マイクロソフト・ベンチャーズのアクセラレータープログラムにも参加した。シードラウンドで総額200万ドルを、Eshbol社と クラウドファンドのOurCrowdから調達している。なお、Eshbol社は イスラエルで、テクノロジー関連のスタートアップ企業への投資を専門に行っている投資会社である。

会社概要

会社名 Taranis
CEO Ofir Schlam
設立年 2014年
拠点 イスラエル
社員数 17人
会社URL http://www.taranis.ag/

メンバー紹介

Ofir Schlam

Ofir Schlam
CEO 共同創設者
19歳の時に 数学、コンピュータサイエンスの理学士を取得し主席で卒業。
首相府のElite Technological Unitでの、研究開発部 ソフトウェアエンジニアやプロジェクトマネージャーとしての経歴を持つ。

Eli Bukchin

Eli Bukchin
CTO 共同創設者
ネゲヴ・ベン=グリオン大学卒業。
物理学の理学士号を取得している。
2012年8月から2015年2月までSimbionix社でソフトウェアエンジニアとして働く。

Ayal Karmi

Ayal Karmi
COO 共同創設者
イスラエル国防軍 the tactical intelligence corpsのチームリーダー、投資顧問会社Meitav Dash社を経て、イスラエル銀行では、異常検知アルゴリズムの開発に携わった。

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Asaf Horvitz
共同創設者
ソフトウェア開発とデザインの分野で20年のベテラン

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SAKIGAKE編集部

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海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
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