【後編】発展途上国の農業の変革を目指す!!~AGRIBUDDY CEO 北浦 健伍氏~

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(前編はこちら)【前編】発展途上国の農業の変革を目指す!!~AGRIBUDDY CEO 北浦 健伍氏~

農家の生産性、収入を上げる!?AGURIBUDDYの仕組みとは?

―プランテーション農業の失敗からヒントを得たのですね。AGURIBUDDYの中身について詳しく説明して頂けますか?

今のまま人口が増加していけば、当然今まで以上の食べ物が必要になってきます。その増加分を満たしていくのは、新興国の農業であると考えています。しかし、現状彼らの生産性は低く、その結果稼ぎも大変少ない。日本の農家は、1ヘクタール1万ドル程稼いでいますが、カンボジアの農家では1200ドル程しか稼げていないのが現状です。

農家は、その場の思い込み、過去の経験や勘に頼ることが大きい。結果、その進め方が本当に良かったのか、悪かったのかを分析することが出来ません。AGURIBUDDYがデータを収集して効率化していけば、彼らの報われない労働を減らし、収益を増やしていけると考えています。

また過去の履歴、将来の予測が出来るデータにより信用が生まれます。信用が生まれることで、農作業スケジュールに併せてこちらからサービスの提供が出来ます。耕作、植え付け、日々の手入れ、収穫、販売という1連のサイクルがある中で、AGURIBUDDYがそれぞれのスケジュールに併せて商売していく事が可能となるのです。

作物は、植えて何日後に収穫するか、いつ肥料をやるべきかなどほぼ決まっています。各農家のスケジュールを把握していれば、そのタイミングに合わせて必要なものを販売できます。データに基づいた信用がありますので、収穫した後の後払いでいいよという風にサービスを提供していく事が可能となるのです。


―マネジメント層だけで農園を管理するのは大変そうですが、各農園管理、統制はどの様に行われているのでしょうか?

リテラシーの高い人をBUDDY(農村アントレプレナー)に任命し、教育します。そして、彼らに同じ村(地域)でメンバーを集めてもらい、一つのグループを作ってもらいます。また、傘下のグループの作業結果等のデータをスマホでアップしてもらいます。

入力内容は、メンバーの名前、住所、家族構成、農地面積、作物の種類、植えた日付など多岐に渡ります。例えば90日後に収穫できる作物であれば、植えた日を入力すると収穫日も予測できます。この畑から何日後に、どのくらいの収穫量で、いくらの収入が見込めるか、予測できるのです。

その様なデータをBUDDYから吸い上げてもらい、彼らに対してオペレーション担当が肥料販売等の指示を行うことで、農村アントレプレナーとして活躍してもらうという仕組みです。

ビジョンの浸透が今後の鍵

―とても面白い仕組みですね。最後に現状の課題や目標を教えて頂けますか?

一番の課題は、BUDDYの教育ですね。彼らは会社の顔になる存在です。彼らにどう会社のビジョンを浸透させていき、その下のメンバーにまでしっかり伝えて貰うかが課題です。

非言語コミュニケーションをいかに作っていくかを考えています。今の世界は、知識の共有で成り立っています。しかし、これからの世界はマジョリティである文字が読めない人、字が書けない人をプレーヤーとして数えていかなければなりません。この人たちと一緒にビジネスを行っていく際に重要なのは、知識の共有ではなく感覚の共有です。これが私のチャレンジです。

マネジメント層→オペレーター→BUDDY→農家へと密度を落とすことなく想いや指示を伝えていかなければなりません。

また直近の目標は、2020年までに5万人のBUDDYを生み出し、農業生産性と農家の収入の向上に貢献することです。直近はカンボジアとインドの市場に注力し進めて行く予定です。

終わりに

過去に大きな葛藤を抱え、失敗を経験された後、「次の50億人」をターゲットに取り組む北浦氏。人々を幸せにし、かつ社会にインパクトを与えるという意思のもと活動されている北浦氏の言葉には、強さと人としての温かみを感じました。

AGURIBUDDYは、世界をより良く変えていく会社の一つであると感じました。今後のAGURIBUDDYの活動が、どの様に発展途上国の農業に貢献していくのか、拡がっていくのか楽しみです。

プロフィール

北浦  健伍 – Kengo Kitaura –

大阪府生まれ。カリフォルニアで子ども時代を過ごす。消費者金融会社で数年働いた後、1996年に消費者金融会社を設立する。その後、法律の変更により拠点を国内から海外に移す。2008年にカンボジアの農業市場への投資を決定。2009年にカンボジアに移り住み、これまでの経験を活かして分散型農業のAGRIBUDDYを立ち上げる。開発途上国に何百万もの効率的で競争力のある小規模農家を作ることを目標に掲げている。

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SAKIGAKE編集部

SAKIGAKE編集部

海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
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