【前編】発展途上国の農業の変革を目指す!!~AGRIBUDDY CEO 北浦 健伍氏~

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今回は、現在カンボジア、インド、バングラディシュの農業の生産性、農家の収入を向上させるために「AGURIBUDDY」のCEOを務める北浦氏にインタビューさせて頂きました。

カンボジアでの起業に至るまでの経緯、AGERIBUDDYに込める想いについて語って頂きました。

ハッピーエンドで終わる仕事がしたい!

―本日は宜しくお願い致します。AGURIBUDDYを創業される前はどの様なお仕事をされていましたか?

元々は貸金業に従事していました。浪速の金融屋ですね。

貸金業は基本的にバットエンドです。お客さんになった人とほとんどもめてしまう。特に大手の金融屋ではなくて小口の金融屋だったので、お金を借りれなくなったお客さんが大半でした。

なかでも同級生が借りに来た時は一番辛かったです。例えば飲食店をやっていて友人がきてくれるのであれば「ビール一杯でも飲んでいきーや」なんてことも言えますし、嬉しいですよね。ただ金融屋さんにお金を借りに来た友人に対して「おぉー久しぶり」という風にはいかない。相手の状況も分かりますしね。

当然仕事なのでプロとして金利を設定し対応しました。しかし、お金が帰ってきたとしても友達からお金をとるという様な感じで後味がわるい。また返ってこなかったらもっと最悪で、言いたくないことも言わなければならないのです。

友達に来て貰って困るビジネスってどうなのか、とずっと思っていました。また、世間の人から居なくなって欲しいと思われている存在になっているのではないか、とも考えていました。結局、2005年に貸金業を辞めることになります。

―当時大きな葛藤を抱えながら仕事をされていたのですね。次に踏み出す出来事が何かあったのでしょうか?

はい。時を同じくして同じ金融業で、ノーベル平和賞をとった方がいるのです。グラミン銀行のムハマド・ユヌスさんです。お金が必要な人に金利を付けて貸し出すという点では、全く同じなのに、どうして世間からの評価がこれほど違うのか、といろいろ考えました。

結局のところユヌスさんは、お金を貸した人がそれを使って良くなって欲しいという事を考えて貸している。一方かつての私は、儲かればいいと考えて貸していました。同じ事業なのにスタンスの違いでここまで大きく変わるというのを凄く感じました。

―その後、どの様な事を重視して仕事を選ばれたのでしょうか?

強く想っていたのはハッピーエンドで終わる仕事がしたいという事。仕事に携わった人が”もっと幸せになろう”とか”もっと頑張ろう”と思えるような様な仕事です。あとは海外で挑戦、社会的インパクトのある仕事、この3つを基準に模索していました。

カンボジアでのボランティアを通じて感じたこと

―海外で挑戦。それでカンボジアで起業されている訳ですね。どうしてカンボジアを選ばれたのでしょうか?

次の仕事を考えている時、友人たちとカンボジアを訪れました。その時にある孤児院を訪れたのですが、驚いたことに子供たちが英語を話していました。

また都市部でも、街の至る所で英語が使われていました。それにも関わらず給料平均が月1万円という事実に驚きました。その後、ASEANの国を一通り見たのですが、ピンと来たのがカンボジアとミャンマーでした。この2か国に関しては、まだ成長が顕在化されておらず、海外からの挑戦者も少ないと感じました。

しかし、ミャンマーは軍事政権であった事もあり、カンボジアに懸けてみようと決意したのです。

―具体的にどの様にしてカンボジアでの起業に至ったのですか?

その後、旅行中に訪れた孤児院で3カ月ほど日本語講師のボランティアとして活動するのですが、その中でボランティアの限界を感じました。この孤児院は、海外からの寄付、また海外旅行者向けの孤児院見学ツアーで成り立っていました。

いつまでも外に頼っていては、ずっと貧しいままだ、自分達の力で運営していくという様な気概を持つべきだ、と思うようになり、孤児院の運営者の息子に一緒にビジネスをしようと呼びかけ、彼と日本の友人たちとプランテーション農業を始めることになります。

プランテーション農業の失敗からヒントを!

―農業をしようと決めたのは何故でしょうか?

ビジネスを始める際に重要視したのは、先程申し上げた3つです。そのうち海外での挑戦はクリアしているので、人々をハッピーにする、かつ社会的なインパクトがある仕事は何かと考えていました。

私のイメージの中で貧困イコール飢餓だったのですが、カンボジアにはたくさん食べ物があり、本質的には豊かでした。また昼間からハンモックに揺られている人、お酒をのんでだべっている人など至る所で見かけました。彼らが真剣に農業に従事すれば稼ぐことができ、国も豊かになるのではないかと考えたのです。

また私の中でも大規模な農園の運営に対し、ロマンを感じておりましたので、友人たちとお金を出し合ってプランテーション農業を始めることになりました。

―その事業はスケールしなかったのでしょうか?

結果的に上手くいきませんでした。
カンボジアで1000ヘクタールの土地(約ディズニーランド20個分)を借りてキャッサバを植え始めました。しかし、やってみると計画していた数字と実際の数字が大きく違い、大きなダメージを受けました。

また同じくして、カンボジアの人件費が高騰していました。タイやプノンペンは景気が良いという事で、多くの若者が都会に移って行ったのです。すると人手が足りない→人件費があがる→上がった割には良い人材がいない、という悪循環に陥ってしまいました。

その様な状況でしたので、プランテーション事業の継続は断念。しかし、この事業にチャレンジしたことで、途上国の僻地の問題、農家の問題というのが見えてきました。

―問題というのは具体的にどのようなことでしょうか?

誰も客観的に見ることが出来ておらず、問題の本質を分かってないという事です。
仕事をしていてでたらめを言ってくることが多い、作業スケジュールについても把握出来ていない、この様な問題が多数あった為、客観的に見ることのできるツールが必要だと感じたのです。

そこでデータを取り、それに対して正しいコンサルができるようにしようと始めたのがAGURIBUDDYです。2013年にAGURIBUDDYのプロトタイプを作って、2014年の11月にベータ版をリリース。そこから実際に農家にアプリを使って貰ったりと、試行錯誤して2015年の1月に香港法人としてスタートとなりました。

後編へ続く)

プロフィール

北浦 健伍 – Kengo Kitaura –
大阪府生まれ。カリフォルニアで子ども時代を過ごす。消費者金融会社で数年働いた後、1996年に消費者金融会社を設立する。その後、法律の変更により拠点を国内から海外に移す。2008年にカンボジアの農業市場への投資を決定。2009年にカンボジアに移り住み、これまでの経験を活かして分散型農業のAGRIBUDDYを立ち上げる。開発途上国に何百万もの効率的で競争力のある小規模農家を作ることを目標に掲げている。

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SAKIGAKE編集部

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