弁護士のラベルを突き抜ける!日本・アフリカで活躍する国際弁護士~赤坂国際法律会計事務所 角田 進二~

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今回は日本、フランス、イスラエル及びコートジボワール、ケニアなどアフリカでも活躍されている国際弁護士の角田さんにインタビューさせて頂きました。

日本が抱える課題、またアフリカが抱える課題をご自身の活動でどの様に変えていこうとされているのでしょうか?

弁護士というラベルを突き抜ける!

―本日は宜しくお願い致します。
初めに角田さんが弁護士を目指されたきっかけについて教えて下さい。

父が弁護士だったので自分もできるかもとなんとなく幼いころから思っていたのが一つのきっかけです。また誰かを追い落とすよりも誰かをサポートしたいという思いが強く、自分が力を出せるのは人の為・社会の為になる仕事だと考えていました。

大学で法学部に入った時に民法を勉強していて、これだ!と感じました。当時民法こそ世の中の動きを示している一つのツールだと思い、弁護士を目指しました。

―弁護士になる前、なった後で気持ちの変化などはありましたか?

はい、資格だけを取っても意味がないのではないかという事です。「弁護士」というのは単なる資格で、職業ではないように感じています。

―立派な職業だと思いますが、どういう事でしょうか?

というのも弁護士というラベルを貼ることで、自分の活動を制御してしまっている様に感じる事があります。私たちの仕事は法の解釈や法を使って解決が役目であるという思いから、活動範囲を狭めてしまう事で、意義を薄くしている様に感じたのです。

日本でもオープンイノベーションへの動きが未だ停滞しているのは皆がサイロ化しているのを繋ぐ役目がいないからだと考えています。そこで現在は弁護士の活動に縛られず、宇宙やAIなどの新しい分野について勉強会を主催したりして、様々なコミュニティを繋ぐ役目も果たそうとしています。

―AIなども前々から独自で勉強されていたのでしょうか?

勉強していたとしても専門家にかなうはずもありません(笑)。私自身が勉強するつもりで勉強会を主催しています。私が知らない事、そして知りたい事をテーマに開催しています。専門家じゃない私が勉強会を主催し、時にバカな質問をすることで全体の質問のレベルを下げ、より様々な質問が飛び交う環境を作っています。そして新たなコミュニケーションが生まれ、新しい視点や発想が出てくる事を期待しています。

知らない事を強みにして取り組んでいるのです。弁護士=賢いという様なレッテルに縛られると凄く損をすると思っています。上手くオープンイノベーション出来る仕組みをいかに作っていくかというのが本当の課題だと思います。

アフリカでの活動について

―角田さんは国際弁護士として活躍されていますが、アフリカでの活動の経緯についてお話頂けますでしょうか?

弊事務所では元々フランス関係の仕事が多く、2003年から弁護士登録をしていたのですが、最初に出会ったのがコートジボワール。2003年からコートジボワール案件に従事するという特異な経験をしました。その時は特に英語、フランス語が出来たわけではありません。しかしコートジボワールの顧客に「お前はいい弁護士になる」といわれ人の為にという意識がより強くなりました。

その後しばらくは、今後アフリカがどの様に発展していくのか、様子を見ていた為アフリカでの活動に注力はしていませんでした。

しかし、2012年にパリで行われた外国人弁護士研修に数月参加したことで新たな気づきを得ました。その仲間の半分はアフリカ人だったのですが、彼らがかなりのお金を持っていた事です。そこからアフリカは援助の国ではないのではないかと思うようになり、法律などどの様になっているのだろうか?とより関心が湧き調査に一層の力を入れました。

アフリカ商事法調和化機構(以下、OHADA)における、アフリカ17か国の統一商事会社法というものがあります。この法律から弱い国でも集まると強くなれるのだと気づきました。そこで私がやれることは、OHADAや他の法律をまとめ、発信すること、日本の企業が進出しやすくなるようにすることだ、と考えました。

論文を執筆したり、実際進出する際にどのようにすればよいか、またどの様に投資をすればよいかといった本『アフリカビジネスと法務』(中央経済社)も金城拓真氏との共著で執筆しています。現在ですと英語圏のケニアやタンザニアにも注目しています。そして、勿論、ルワンダにも注目しております。

―アフリカでビジネスをする際に注意することなどがあれば教えて頂けますか?

ビジネスを行う国の経済や文化のみならず地政学及び政治をしっかり学び、常にアンテナを張っておくことではないでしょうか?地政学を頭に入れておかないと痛手を受けることがあります。

例えば、最近聞いたところですと、ウガンダはスーダンとの仲が良好で経済的な交流が多くありました。ウガンダは軍事政権で経済を回すことが上手くなかったのですが、スーダンとの通商によって経済が上手く回っていたのです。しかし最近は、南スーダンでジェノサイド(民族大量虐殺)が起こり商売をすることができなくなりました。その結果、ウガンダ国内の経済の流れが悪くなっているのが現状です。このような事を知っている、理解している事は大切だと思います。

また大統領が変わる時は、とても危険です。選挙の時には、暴動が起こる可能性が高いため避難等検討する必要があります。死者が出る場合も考慮しておく必要があるでしょう。ルワンダのカガメ大統領の場合は、国民から好意的にみられているので問題ないかと思いますが、リスクマネジメントは本当に重要です。

弁護士事務所=バックオフィスの様な存在に

―その他最近注力されている仕事などありますか?

はい。今に始まったことではないのですがベンチャー起業支援に一層力を入れています。
ベンチャーの方々との仕事が非常に刺激的で楽しさを感じています。彼らは非常にやる気があって熱気があります。最初は扱う件数も少なかったのですが、徐々に仕事させて頂く機会が増えていきました。また共に仕事をさせて頂くことで私自身も危機感を覚える様になりました。

―危機感とはどのような事でしょうか?

現代はインターネットにより情報格差がなくなっており、ユーザーの立場からすれば専門性は関係なくなっていると感じています。但し、機能的に考えると、ベンチャーの方々は、経営や技術に集中するためには適切なバックオフィスが必要です。バックオフィスの組み立てをベンチャーが人を雇ってするのではなく、アウトソーシングする受け皿が必要です。スピード感のあるバックオフィスとしてベンチャーをサポートしなければならない課題感をもっております。

今後は法律事務所や会計事務所もテクノロジー技術を利用し自分たちの専門性を溶かし、ベンチャーの方々を安価でサポート出来る仕組みを作らなければならないと考えています。社会的なニーズを考え、日々模索しています。

日本のファーストペンギンを支える!

―最後にご自身で大切にされていることや今後の目標は何ですか?

日本人の多くが資産にこだわってまだまだ社会に必要なものを生み出し切れていないと感じます。また自分達の力では無理だから政府に頼ろう、少し様子見しようという様な空気も感じます。

弁護士としては、世界・社会を変えようと挑戦するファーストペンギンとなるような方が報われる様、またその様な方々が日本からたくさん出てくる様に法やバックオフィスの立場から手助けしていきたいです。

挑戦者を法やバックオフィスの立場からしっかり支えていくことで、この流れを変えていきたいですね。現在は、会社を設立し、リーガルテックという形で打ち込んでおります。

―アフリカでの活動についてはいかがでしょうか?

アフリカでの活動については、日本人が守られるような仕組みづくりをしようとしております。儲けたいというのではアフリカの方々は受け入れてくれません。「私たちはあなた達にとって必要、価値のある存在である」と発信する必要があります。例えば、テクノロジーによって、徐々にビジネスに透明性がでてきます。そうすると、賄賂などの良くないひずみをトレースしできるようになります。そして、AIによって不必要に受けている公務員の給与(実は、幽霊公務員の存在が多くある)を減らすことにもつながります。そういった意味で、自分は日本のベンチャーさんともお付き合いし、アフリカにとってどの技術が役に立つのかも検討しているわけです。

日本、フランス、イスラエルなど技術を多く導入することで賄賂ビジネスを淘汰し、民間がちゃんと働ける環境づくりが可能になると思っております。そうした土台を作るのが自分の役目と考えております。

将来的には、ローファームよりもインキュベーションセンターがアフリカでは必要になると思っています。働ければ働くほど報われるというカルチャーをしっかり作ることを目指しております。自分達の社会は自分達で良くしていこうと取り組む人がたくさん出てくることに寄与したいですね。

今後は、途上国とテクノロジーというテーマが広がってくると思います。先進国でイノベーションなどが起きると期待するよりも、かなりの確度で途上国から、新たにイノベーションが起きてくるので、それを見守りたいと思っております。

終わりに

一つ一つの言葉に熱がこもっており非常に熱い方だと感じました。ご自身の弁護士という仕事を客観的に見られており、時代、世間が何を求めているかを敏感に察知しようとされている姿勢に対して感銘を受けました。

弁護士という枠にとらわれず活動されている角田さん。今後も彼の日本、フランス、イスラエル、アフリカでの活動に注目です。

プロフィール

角田進二 – Sumida Shinji –

1999年 早稲田大学法学部卒業
2002年 最高裁判所司法研修所において研修
2003年 弁護士登録 東京弁護士会所属
赤坂国際法律会計事務所入所
2005年 弁理士登録
2006年 南カルフォルニア大学(University of Southern California Law School)法学修士(LL.M. program)
カリフォルニア州Barg, Coffin, Lewis and Trapp LLP法律事務所において約3か月間法律実務研修
2011年 パリ弁護士会外国人弁護士実務修習課程履修
2012年 赤坂国際法律会計事務所所長に就任

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SAKIGAKE編集部

SAKIGAKE編集部

海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
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