日本に新たなエンターテイメントスポーツを!!~ドローンレーサー YOKOTA Atsushi~

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今回は、ドローンレーサー兼JDRA(日本ドローンレース協会)副代表理事の横田氏にインタビューを行いました。近年、話題になっているドローン。ドローンを用いた空撮、輸送ビジネスについては皆さんも良く耳にする事かと思いますが、ドローンレースというスポーツをご存知でしょうか?

横田氏は21世紀の新スポーツ「ドローンレース」に挑戦し、その普及活動に取り組まれています。横田氏が、ドローンレースの道を進むことになったきっかけとは?そして現在の活動に懸ける思いとは?以下、インタビュー記事をお楽しみください!

きっかけは堀江 貴文さんのメルマガ!

―本日は宜しくお願いします。まず、ドローンに触れたきっかけを教えて頂けますか?

数年前から堀江 貴文さんや高城 剛さんのメルマガを購読していて、何か面白いアイディアはないかと探していました。その中でドローンについての話を目にすることも多く興味をもったというのがきっかけです。

ある日Amazonで1万円程の安いドローンを見つけて、軽い趣味程度で始めようと思い購入しました。それが2015年1月頃です。それから操作ミスで川に落としてしまうこともあり、毎月2、3台の頻度でドローンを購入し、どんどんのめり込んで行きました。ちなみに、私の所属する日本ドローンレース協会も堀江さんのオンラインサロンから生まれた団体です。

―横田さんにもそんな時期があったのですね。その後、ドローン熱を加速させる何か大きなイベントがあったのでしょうか?

2015年4月に前職を退職し、5月末までの約1か月の間DJIのPHANTOM3(空撮機)で日本中各地の空撮を行い、その中で得た情報等を個人ブログで公開するという取り組みを行っていました。

結果、ブログのアクセスが増えた為BE INTO DRONEというドローンを扱う上での注意、ノウハウ、ハウツーなどを紹介するドローンメディアをスタートさせました。このメディアがキッカケとなり、多くの依頼や問合せをいただくようになり、様々なイベントに出ることで業界の仲間がとても増えました。

プログラミング習得の日々がドローン操作習得に繋がっている!

―2015年に退職されたとの事ですが、前職ではどの様なお仕事をされていたのでしょうか?

前職はワークスアプリケーションズでコンサルタント及びエンジニアとして働いていました。課題突破型の研修を上位成績で終えた後、部署配属のためのドラフト会議があり営業希望でプレゼンをしたのですが、コンサルティングの部署に配属されました。当初は配属部署に納得がいかず、配属後1ヶ月で退職を考えるほど人事部と揉めましたが、会社の中でも新規事業を取り扱う部署にすぐに異動することとなり辞めずにすみました(笑)

その後は、年間売上50億円程の通販会社のバックヤードの管理業務からフロントサイト、コールセンター、ロジスティクスまで全業務をフォローするシステムを作るため、1年目からプロジェクトマネージャーとして働き、他にも複数社のコンサルティング業務を行っていました。大学3年生の時からワークスアプリケーションズ含め様々な会社でインターンとして精力的に活動していたこともあり、入社年次に関係なくガシガシやってやろうという想いで日々取り組んでいましたね。

やると決めたことに対しストイックにキャッチアップを行い、結果を出すことにこだわっていたため、1年目から社長賞を受賞する事が出来ました。

―順調に社会人としてのキャリアをスタートされたんですね!それでも仕事に対しての物足りなさというか、迷いがあったのでしょうか?

確かにコンサルティングの仕事を通してプロジェクト運営や関係者とのコミュニケーションの取り方について多くを学ぶ事が出来ましたが、元々営業志望であったこともあり、「これが本当にやりたい事なのか」と常に疑問を感じていました。

また起業についても考えるようになり、自分でサービスを作ることができるエンジニアとしてのスキルを習得したいと考えていました。

―その後、部署異動など希望されたのでしょうか?

はい。4年目には希望が通り引き継ぎなどを終えて、エンジニアとして働くことになりました。コンサルタントとエンジニアとではスキルセットが違うため異動の前例はほとんどなかったと思います。その為、当時中堅ではありましたが、新卒と同じラインで再スタートをきりました。

そこからは、とにかく仕事をたくさん取りに行き、勤務中は当然ながら食事中、トイレ、移動中や寝る前後と起きている時間はとにかくプログラミングに触れるように心がけ、超短期的に集中してプログラム開発に取り組みました。このような生活を半年間飽きもせずに休みなく続けた結果、多くのシステム機能実装やサービス開発が可能となり、プロダクトマネージャーに抜擢されるまでになりました。

この時の経験が、今のドローンレーサーにも大きく繋がっています。最初は進め方、やり方がわからなくても2日間ぐらい眺めてみたり、触れる時間を多くする事で解決方法が見えてくるという様な事は、前職のエンジニア時代に多々ありました。自分が好きな事ややりたいことなら尚更です。
ですからドローンに関してもとにかく触れる時間を多くする様に心がけ取り組みました。

ドローンレースとの出会い

―ドローンレーサーになろうと本格的に考えたきっかけは何だったのでしょうか?

2015年8月に新潟で行われたドローンレースの大会を見たのがきっかけです。そこで初めてカスタマイズされたドローンを見ました。100km~150kmものスピードが出るドローンを見たのが初めてで、何これ!?と凄い衝撃的でした。


(横田氏のレース用ドローン)

その翌日からパーツを本格的に集め練習しようとしたのですが、法律の関係上、外で練習することが出来ませんでした。そこでパソコンにコントローラーを繋いでオンラインのシミュレーターを使って1日7、8時間毎日練習していました。

―実機を使っての練習はいつ頃からされ始めたのでしょうか?

実際に実機を外で飛ばせるようになったのは、2016年2月からです。東京には練習できる場所が少ないので、千葉に引っ越して毎朝4時起きで家の近くの林で、夜はオンラインとドローンレースの練習に明け暮れました。


(横田氏 練習動画)

オンラインでの練習は、実機の操縦と親和性があるため習得も早く、実機に触れてから僅か1か月で国内の大会で上位入賞、夏の大会では1位タイの記録で優勝出来ました。場所、時間にとらわれず、とにかく練習しました。

JDRA(ドローンレース協会)参加のきっかけ

―JDRAにはどのようなきっかけで参加されたのでしょうか?

競技を始めて1年近くたった時からある想いを抱き始めました。「確かに、自分自身は操縦すること、レースに参加することがすごく楽しいが、1歩引いて競技を見た時に果たして楽しいのだろうか?いや、楽しくないな」と・・・。それでどこかモヤモヤしながら競技を続けていました。

そんな時、日本代表として参加した深圳での国際大会で代表チームのオーガナイザーとして同行していたJDRAの小寺代表理事と出会いました。小寺さんにドローンレースに対して感じている事を話すと小寺さんも同じ考えを持っており、ドローンレースをちゃんとしたエンターテイメントスポーツにしようという事で意気投合しました。それがきっかけとなりJDRAに参画することになります。

韓国のドローン熱がヤバい!!

―現在の国内での人気または海外での人気はどうなっているのでしょうか?

現在、国内の競技人口は1000人~2000人程度です。まだ数は少ないものの年々確実に人気は伸びていると感じます。

一方、海外についてですが世界の競技人口は15万人程とみています。一番競技人口が多いアメリカのある企業では、ドローンレースをコンテンツとしてスポーツ専用チャンネルのESPNに放映権を売ることに成功しています。(参照:http://www.espn.com/moresports/story/_/id/17544727/drone-racing-league-espn-announce-broadcasting-agreement)

またお隣の韓国でも、今ドローンレース熱が非常に高くなっていると感じます。キム・ミンチャン君という若干14歳のレーサーが世界各地の大会で優勝していて、韓国のメディアに大きく取り上げられており、それが人気の大きな要因になっています。

その人気の高まりから、政府も協力して規制の緩和や練習環境の提供などを行い人気に更なる拍車が掛かっています。我々JDRAも加盟し、設立に関わったIDC(国際ドローン委員会)も韓国で設立されました。現在IDCでは2018年に韓国・平昌で開催する冬季オリンピックで、エキシビジョンとして国際ドローンレース大会を開催する方針で協議を進めているところです。

ドローンリーグ創設に向けての2つの課題

―韓国と比べてこれほど人気の差があるのは何故でしょうか?

一番の障壁になっているのは、法律です。レース用ドローンを飛ばすためには、アマチュア無線免許4級が必要になります。このルールで多くの人が、ドローンレースに興味を持っても資格取得のための受験や、総務省への免許の開局申請などがハードルとなりすぐに始めることができません。

私が始めた頃も同様の問題で、申請時に何度かやり直ししたり、申請後許可書が発行されるまでに時間を要したりと約半年ほど機体の購入から外で飛ばすまでに掛かりました。

―半年もですか!?それを聞くと興味があったとしても始めるのに大きなハードルになりますね。

そうなんです。なので自身の経験をもとにBE INTO DRONEで申請の仕方等のハウツーを公開しています。(参照:https://drone.beinto.xyz/fpv-drone/)それを参照して頂ければ、2、3カ月で取得できると思いますが、それでも大きな障壁となっていることに変わりはありません。

―確かに短縮できるとはいえ、2、3カ月も掛かるとなると厳しいですね。

もちろん有限な資産である電波を使う上で必要な法律であることは理解しています。しかし、ドローンレースに関してはイベント主催側で準備・工夫をすることで、参加者が免許を持たずともドローンレースが行う方法はないかなど専門家の意見を交えつつ、政府側との交渉も行っています。

想いとしては、イベントや体験会などを通して興味を持って頂いた方々がその場ですぐに始めれる様になることを望んでいます。

―その様な環境に変わればいいですね!法律のほかに課題として考えられていることはありますか?

その他の課題としては、日本からドローンレース界のスターが誕生していない事です。韓国での人気沸騰からもわかるように、メディアで取り上げられる様なスターが生まれなければならないと思います。そのためにもこれからドローンレース始める人が成長できる環境づくりやアピールできる機会が必要です。また私自身がレーサーとして世界大会で1番になることで、ドローンレース人気に拍車が掛かることを願い、日々練習に取り組んでいます。

上記2つの課題を改善することで、アマチュアの競技人口を増やしていきたいです。ドローンレースには、21世紀の新しいエンターテイメントスポーツとして大きな可能性があると信じています。一人でも多くの方にドローンレースの楽しさを届け、競技者を増やし、プロリーグを創設し、ドローンレースを憧れのスポーツにするのが私の目標です。

取材を終えて

レーサーとしてだけでなく、プロドローンリーグの創設という大きな目標を掲げイベントなども精力的に取り組まれている横田氏。落ち着いた口調で語って頂きましたが、その発言からは自身の取り組みへの大きな覚悟を感じました。

私も最近になってドローンレースの存在を知りましたが、日に日にこの競技への関心は増しています。今後ドローンレースがどの様に拡がっていくのか、またどの様にして観客を盛り上げる仕組みを作っていくのか今後も注目です!

プロフィール

YOKOTA Atsushi
ドローンレーサー/日本ドローンレース協会(JDRA)副代表理事/ドローンメディア運営

元ワークスアプリケーションズ プログラマ・ECコンサルタント。2015年3月にドローンに触れてから、ドローン所持・製作台数は50台を超える。入門者向けとしては最大規模となる「BE INTO DRONE」を運営し、その他メディアへの寄稿、講演の登壇なども多数行う。

2016年2月末よりドローンレースを始め、圧倒的な練習量を武器に国内大会にわずか3ヶ月で入賞、国内だけではなく海外の多くのドローンレースに参加。スポーツやエンターテイメントとしてのドローンの活用に強い関心を持ち、日本ドローンレース協会に参画。

2016年5月27日 D1 ASIA CUP日本予選タイムアタック 1位
2016年6月12日 JAPAN DRONE NATIONALS 6位
2016年11月6日 ドローンインパクトチャレンジ福島県南相馬市 3位

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SAKIGAKE編集部

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海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
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