言葉による対話が可能なアプリケーションの開発に貢献-Wit.ai

CATEGORY: GENIUS

TAG:

ITの技術はますます私達の身近なものになっている。モバイル端末の普及により日常的に様々なアプリケーションを使うようになり、更には来るIoTブームにより暮らしの中のあらゆるものがネットワークにつながる日が来るかもしれない。IT機器が身近になるということは、やはりその操作方法も便利でなくては意味がない。そこで注目されているのが、私達が普段使っている言葉による操作だ。そこで、まるで人間とコミュニケーションを取るかのような対話が可能なアプリケーション・デバイスの開発に必要な自然言語処理の技術を多くの開発者に提供しているのが、Wit.ai社である。

テキスト入力にも音声入力にも対応する機械学習

Wit.ai社は自然言語処理の技術を開発し、APIとして他の開発者に技術を提供している企業だ。同社の提供するAPI、通称Witは、開発者が入力したデータの学習を繰り返すことによって言語による入力に対して的確な対応が可能になる。テキスト入力だけでなく音声入力にも対応可能なWitは、モバイルアプリやロボット、ホームオートメーションなど様々な分野の製品に活用される。Wit.ai社のサイトでは実際にWitによって、チャット感覚でレストランをおすすめしてくれるアプリや、音声で指示するとコーヒーを入れてくれるロボット、音声対話によるランニングサポートアプリなど、様々なアイデアが実現されている様子が紹介されている。
wit.ai_1
上の図は実際にWitにデータを入力している画面
「ローマの天気は?」「パリの天気は?」という発話に対して「天気予報を表示する」という動作を行うよう指示している。
(出典:Wit.ai公式ページ

広がるWitのコミュニティ

Alex Lebrun氏、Willy Blandin氏、Laurent Landowski氏 というフランス出身の3人によりスタートアップ企業として2013年に創業したWit.ai社だが、2015年にはFacebook社の傘下に入ることとなった。有名企業の一部になったということもありWitを使用する開発者の数も増大。更に同社は2016年には対話型botの開発に特化した「Bot Engine」をリリース。こちらはβ版発表後3日間で8000人の開発者が使用登録するなど、かなり注目を集めている。また、以前は英語をはじめとする11言語であったWitの対応言語に、2016年には新たに日本語も含めた39言語が追加された。こうして拡大するWit使用者のコミュニティだが、2016年現在では45000人以上にもなっている。

Witが無償で、使用制限のないAPIであるということもまた、開発者にとって利用しやすく、コミュニティの拡大を後押ししているのかもしれない。また、Witを使用する開発者には、開発に伴い入力したデータを公開するか非公開にするかを選択する自由もある。公開されたデータは、Witを使用する他の開発者にも共有される。つまり、開発に伴い機械学習によって精度の上がったWitの技術を他の開発者も利用できるというわけだ。開発する製品の分野や、言語の垣根を超えて高め合いながら成長するWitのコミュニティは、自然言語処理の分野の発展に大いに貢献していきそうだ。

会社概要

会社名 Wit.ai, Inc.
CEO Alex Lebrun
設立年 2013年
社員数 11-50名規模
事業内容 自然言語処理APIの開発・運用
会社URL https://wit.ai/
沿革 2013年 創業
2014年 Witが音声入力にも対応可能になる。Andreessen Horowitz社等によるシードラウンドにて300万米ドルを調達
2015年 Facebook社により買収される
2016年 Bot Engineをリリース、Witの対応言語に39言語を追加

 

メンバー紹介

Alex Lebrun

Alex Lebrun
CEO・創業者
2001年に韓国のIT系マーケティング企業のAsiance社の創業に携わる。2002年に企業向けbot開発企業のVirtuOz社を設立、同社CEOを務める。

Willy Blandin

Willy Blandin
CTO・創業者
フリーランス開発者として機械学習や自然言語処理の技術開発を行っており、2011年にはLebrun氏の創業したAsiance社にてアプリケーションやインフラストラクチャを開発した。

Laurent Landowski

Laurent Landowski
創業者
Wit.ai社創業以前はVirtuOz社の創業に携わり、同社の経営部長も務めた。

TAG

WRITER

SAKIGAKE編集部

SAKIGAKE編集部

海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
MEDIA |  |