もうパスワードはいらない!モバイル多要素認証を手軽に-LaunchKey

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消費者向けのオンラインサービスを手がける企業にとって消費者のユーザーエクスペリエンスの向上は常に重要課題だが、消費者にとってわずらわしいプロセスの一つとしてアカウント認証のID・パスワード入力がある。

さまざまなサービスが相次いで登場するなか、ID・パスワード管理のわずらわしさは日増しに増大している。また、不正アクセスに対する不安も常にある。企業は消費者に向けて定期的なパスワードの変更を促すが、消費者にとってパスワードの変更はただただ面倒なわずらわしいプロセスにほかならない。

この時点でユーザーエクスペリエンスは必然的に低下する。つまり、ユーザーエクスペリエンスの向上とセキュリティーの強化は互いに背反してしまうのである。では、この矛盾を解決するソリューションはあるのか。そのひとつがLaunchKey社が開発を手がけたモバイル多要素認証(Muti-factor authentication)プラットフォームだ。

モバイル多要素認証とは何か?

2012年の創業以来、多要素認証技術の開発を続けてきたLaunchKey社は、2016年9月にデバイス認証サービス大手のiovation社の傘下に入り、2017年初めにはiovation社が持つ認証技術を組み合わせて開発した次世代型認証基盤である「LaunchKeyモバイル多要素認証プラットフォーム」の一般提供を開始した。(参照:iovation社公式サイト


LaunchKey-video from iovation on Vimeo.

このプラットフォームは、ユーザーが所有するモバイル端末にオンラインサービスのアカウントIDをリンクさせ、パスワード入力を不用にする「モバイル多要素認証」という技術だ。

その前に、そもそも「多要素認証」とは何か。一般的に認証に使われる「要素」は大きくわけて3つある。
(1)ユーザーだけが知っている「記憶」に関する要素・・・パスワードやPINコードなど
(2)ユーザーが持っているものに関する「所有」に関する要素・・・専用のハードウェアやスマホアプリでワンタイムパスワードを表示するセキュリティートークンなど
(3)指紋や虹彩などユーザーの「属性」の要素
―この3つが「認証の3大要素」と言われている。これらの要素を複数組み合わせて、認証を多階層化し、セキュリティー強度を高める認証方式を「多要素認証」という。

LaunchKeyのプラットフォームで利用できるのは、PINコード認証、指紋認証、ブルートゥース・プロクシミティのほか、GPS機能を使ったジオフェンシング(Geofencing)なども利用可能だ。これらを組み合わせて設定し、ユーザーはスマホアプリを経由して認証を行う。これがLaunchKeyのモバイル多要素認証プラットフォームである。(参照:iovation社公式サイト

WordPress用ログインの多要素認証化プラグインも

LaunchKeyのモバイル多要素認証の動作をわかりやすくするために、例としてCMSを使ったウェブサイトの管理画面へのログイン認証を見てみよう。LaunchKeyは、有力企業のコーポレートサイト構築に多数採用されている「WordPress」の管理画面ログイン方式をパスワードによる認証から多要素認証に置き換えるためのプラグインを無償で配布している。(参照:「LaunchKey — WordPress Plugins」



iPhone用LaunchKey認証アプリのスクリーンショット。WordPressのログイン処理の際、パスワード入力を求めれるかわりにスマホのLaunchKeyアプリの認証画面が起動する

実際に筆者がWordPressで試作したデモサイトでPINコード入力+指紋認証の2段階認証の設定を試してみると、プラグインのインストールから設定を終えるまで約10分ほどかかった。

設定を終えてログイン画面を開くとこれまで表示されていたパスワード入力フィールドが必須入力ではなくなり、スマホにあらかじめインストールしておいたLaunchKeyの認証アプリが起動し、スマホの画面からPINコードと指紋認証を行いスムーズにログインすることができた。パスワードに取って代わる多要素認証を手軽に導入できる新鮮さがある。

セキュリティー強化とユーザーエクスペリエンスの均衡に向けて

日々さまざまなオンラインサービスが相次いで登場する時代、不正ログインやアカウント乗っ取りに対処するために多要素認証のニーズは高まるだろう。しかし、次世代の認証技術はセキュリティー強化とユーザーエクスペリエンスがうまく均衡しないかぎり一般的な消費者向けの認証としては定着しがたい。

セキュリティー強度が高くとも使い勝手が悪ければそのサービスは競争力を失う結果になる。つまり、ユーザーが求めるスムーズなプロセスにどこまで対応できるかが鍵になる。ユーザーにストレスをかけない多段階認証の本格普及に向けてiovation(LaunchKey)社の認証技術は次世代の扉を開くものとなるだろう。

会社概要

会社名 LaunchKey(iovation)
CEO Greg Pierson(iovation)
設立年 2012年
拠点 米オレゴン州ポートランド
社員数 51-200規模
事業内容 オンラインサービスの次世代認証技術開発
主な商品 LaunchKeyモバイル多要素認証プラットフォーム
会社URL https://www.iovation.com/launchkey
沿革 2012年 創業
2016年9月 iovation社の傘下に入る
2017年2月 「LaunchKeyモバイル多要素認証プラットフォーム」の一般提供を開始

メンバー紹介

Geoff Sanders
共同創業者(現Product Director)
2006年、テキサス大学オースティン校卒。アメリカ空軍予備役軍団候補生を経て、2012年、LaunchKey社を創業。2016年9月、iovation傘下となったLaunchKeyのProduct Directorに就任。
(LinkedIn:https://www.linkedin.com/in/geoffsanders/

Yo Sub Kwon
共同創業者(現Architect)
2008年、バージニア工科大学卒。「かっこいいTシャツ」のクラウドファンディングサイト運営のShirtsbymeやビットコイン取引所のCoinsetterなどを経て、2012年、LaunchKey社を創業。2016年9月、iovation傘下となったLaunchKeyのArchitectに就任。
(LinkedIn:https://www.linkedin.com/in/jchysk

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SAKIGAKE編集部

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