ロボットが実現する次世代の「掴む」-注目スタートアップ3選-

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ヒトがここまで進化したのは、何によるものだろうか。
その一つの答えを提示してくれるのが、チップ・ウォルター著(梶山あゆみ訳)の『この6つのおかげでヒトは進化した -つま先、親指、のど、笑い、涙、キス』である。本書の副題の「つま先(正確には足の親指)」は、ヒトが二足歩行するために必要なものであった。そして、「親指(正確には手の親指)」は、ヒトが物体を安定して保持するために必要なものであった。

我々人間は、当たり前のように自分の手を使っているが、よく考えれば人間の手はあらゆるものを掴むことができる大変優れものなのである。人間の手を再現するのがどれほど難しいことなのか、ロボット業界に変革を起こすスタートアップを紹介しながら考察したい。

様々な活躍が期待できるユニークな球体アームロボット-Empire Robotics

人間の手と同じくらい、いや、それ以上に優れているものは「ドラえもんの手」であろう。「ドラえもんの手」は、指などもなく、ただの球体にもかかわらず、どのような形状のものも持つことができる。そのような「ドラえもんの手」を連想させるロボットを開発しているのがボストンに拠点を置くEmpire Robotics社である。

球体状ゆえに変幻自在に変化して様々な形状に対応することができている。この技術をより高度化できれば、自動車工場で活躍するような産業用ロボットから、掃除ロボなどの家庭用ロボットなど幅広い領域に応用可能であろう。

オートメーションの新しいマーケットを実現-Soft Robotics

続いて紹介するのが、アメリカにあるSoft Robotics社である。注目して欲しいのが、その社名にも含まれている「ソフト」と「ロボット」という一見相反するように思われる言葉の融和である。ソフトロボティクスという新たな分野の先駆けと言える同社の強みは、食品のような繊細なものにも損傷を与えずに掴めるロボットである。

「ソフト」と「ロボット」の融和は、物質的に柔らかい対象物に損傷を与えないことはもちろん、構造化されていない環境でも『柔軟に対応できる』ロボットがこれからのロボットに必要なことを象徴しているのかもしれない。

電気接着技術であらゆるモノを掴む!運ぶ!「ロボットグリッパー」に新革命-Grabit

最後にご紹介するのは、先ほどまで紹介したスタートアップとは手法が異なり、「静電気」を利用したグリップ技術を開発しているGrabit社である。同社は、SRIインターナショナルという世界で最も大きな研究機関のスピンオフ企業として設立された。

静電気を使えば、従来負担となっていたグリッパーの取り替えなどが生じずに済む。とりわけ、Grabit社の技術の特筆すべき点はエネルギーコストである。従来のエネルギーコストを大幅にカットすることが可能となっていて、社会的な貢献も大きいと言える。

最後に

以上、3つのスタートアップを見てきたが、人間の手の優れている点はあらゆる対象物に対して取り替えることなくその手だけで対応できる点である。これからのグリップ技術を使ったロボットも、構造化されていない環境でも柔軟に対応していき、ランニングコストを下げられるかが重要となってくるはずだ。

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SAKIGAKE編集部

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海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
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