中小規模農業における精密農業を実現化-Farm Dog Technologies

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IT技術の進歩は目覚ましいが、農業においても例外ではない。1980年代初頭にアメリカで登場した精密農業と呼ばれる手法は、これまで経験と勘によって行われてきた農業とは違い、農地や農作物の状態を十分に把握した上で、緻密な管理を行うというものだ。1990年代にはヨーロッパや、南米など世界的に広まっていった。しかし精密農業にはIT技術が重要な位置を占めており、高額な費用がかかることもあって、これまでは大規模農業生産者を中心に普及してきた。その精密農業の対象を中小規模の生産者に特化したのが2015年に創立されたFarm Dog Technologies社だ。

「精密農業先進国の一つであるアメリカにおいて、精密農業は大規模生産者と共に発展してきた反面、残り80%の中小規模生産者はその恩恵を受けてこなかった。この不公平な状態を解消する為にFarm Dogを始めた」
と、同社CEOのBrish氏は、ブログに記している。イスラエル、ヨーロッパ、アメリカにおいて、生産者へのインタビューを幾度も重ねた結果に得られたアイディアだ。なお同社で想定している中小規模とは、1000エーカー以下(約405ヘクタール)を目安にしている。

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(出典:Farm Dog Technologies公式ページ

同社では、IoTのセンサーと機械学習のプラットフォームを組み合わせているが、独自のIoTデバイスを活用するのは、中小生産者が、様々なセンサーを装備した高価な最先端のトラクターを所有していなくても、対応できるようにする為だ。土壌センサーや、通信ユニットが装備されたDog Packを購入することで、土壌や気象などのデータ収集や通信が可能になる。また、二つを組み合わせることで、価格を抑えながらも、精度を高めることができるようになっている。病害虫や雑草等の記録、作業スケジュール管理、仲間とのリアルタイムなコミュニケーションなどにより、総合的な分析・判断が可能となる。具体的な例をあげると、作業記録から、手入れが行き届いていない圃場を知ることができる。あるいは、農薬散布では、適切なタイミングに適量を必要な箇所にだけ散布するといったようにだ。その結果、生産効率の高い農業が可能になる。これまでに、アメリカ、イスラエルでの試験運用において、水、農薬、肥料の使用が、最大で25パーセント減ったという好結果が出ている。

シードファンディングで75万ドル、ODINE(Open Data Incubator Europe)から10万ユーロの資金を調達している。またIntel Ingenuity Partner Program、Microsoft Ventures Acceleratorなどが同社を支援をしている。

会社概要

会社名 Farm Dog Technologies
CEO Liron Brish
設立年 2015年1月
拠点 テルアビブ (イスラエル)
社員数 1-10人規模
会社URL http://farmdog.ag/

 

メンバー紹介

Liron Brish

Liron Brish
Farm Dog共同創立者, CEO
テキサス大学オースティン校、ニューヨーク大学・ロー・スクールを卒業。
投資家や、地産地消型のfarm-to-forkレストランのオーナーとしての顔を持つ一方、McKinsey & Companyでポストハーベストの専門家として働いた経歴も持つ。

Michael Hermon

Michael Hermon
Farm Dog共同創立者,最高製品責任者
テルアビブ大学を卒業。
Wix社で製品マネージャーとしての経験を持つ。またIDF Intelligenceではソフトウエア・エンジニア、ビジネスアナリストとして衛星技術に携わった。

Tatanka

Tatanka
農場管理犬
元猫追い犬。Emily Winthrop’s Canine Collegeを卒業。

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SAKIGAKE編集部

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