車以下の値段で買える衛星!PocketQubeがもたらす新しい未来の形とは?-Alba Orbital

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スコットランドのGlasgowにあるAlba Orbital社は、より多くの人が自分の衛星を開発、打ち上げることができるようになることを目指している。

通常の相場でいうと、小型衛星は家一つ分と同じくらいの価格なのだが、Alba Orbital社の提供するPocketCubeは車以下の値段に抑えているから驚きだ。

PocketQube衛星の成功や、ハブ設置を目的としたクラウドファンディングKickstarterキャンペーンの成功後、WIRED含め色々なメディアにも取り上げられ、注目を浴びている。

Pocket Qubeとは

Pocket Qubeは5cm角を規格し、10cm角を規格とするCubeSatよりも更に小さい衛星だ。10cm×10cm×10cmのCubeSatは1U CubeSatと呼ばれる。20cm×10cm×10cmは2U CubeSat、30cm×10cm×10cmは3U CubeSatである。同様に、PocketCubeも1P、2Pといったようにサイズによって分けられている。2013年11月21日に打ち上げられたWRENというPocketQubeは超小型プラズマクラスター4基と、3軸のリアクションホイール、カラーカメラを搭載、コンパクトだが機能的であることが評価されている。

PocketQube衛星の成功

PocketQube衛星は「PocketQub」または「Pocket Cube」としても知られている。

Morehead州立大学の教授(以前はStandford大学教授)Bob Twiggs氏が提案したもので、5cmの立方体の宇宙船だ。初めに打ち上げた4P PocketQubesは2013年11月21日に軌道に乗った。打ち上げコストは、なんと破格の車一台分の値段(約35,000ドル)だったという。
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小型人工衛星の業界で歴史上大きな影響を与えたUniSat-5 衛星
(出典:https://www.gaussteam.com/unisat-5/

現在は欧州宇宙機関と初のPocketQubeミッションUnicorn-1で協働し、世界初の静止軌道のプラットフォームと通信を行うことが出来る低地球軌道の超小型衛星を試験している。

< Unicorn-1詳細>
サイズ:2P(PocketQubeの2倍)
大きさ:約490g
搭載物:S-band ISL radio, ADS-B Receiver
打ち上げ:2017年 / Unisat-7 Dnepr
軌道:600kmSSO

Former First Minsiter Alex Salmond at Glasgow-based Alba Orbital Ltd, with the Irn Bru-canned sized satellite which will orbit space monitoring airplanes.
Unicorn-1
(出典:Alba Orbital 社公式サイト

また欧州宇宙機関と改良を重ねて、3P PocketQubeのプラットフォームとしてUnicorn-2を開発中だ。

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Unicorn-2
(出典:Alba Orbital 社公式サイト

世界一小さい衛星を開発するためのショップの開店

Alba Orbital社は新しい概念を作り上げた。なんと、自分で打ち上げることが可能である衛星を作るために、いつでも買える部品を提供するオンラインショップPockeQube Shopを開店させたのだ。

創業者Tom Walkinshawが発案。PocketQubeの特徴は、全ての電子装置を含み、どんな衛星のブロックも組み立てることができる構造だ。
PocketQube自体は小さいキューブだが、積み重ねることで大きい宇宙船も作ることも可能だ。宇宙船の大小に関わらず、PocketQubeは必要な部位であるため、失敗率やカスタム部分との不一致の可能性を減少することができるのだ。

PocketQube Shopは、クラウドファンディングのプラットフォームKickstarterを使用して、開設費用を集めたのだが、その時からすでに期待値が高かったことが伺える。

たった数時間で目標金額である5000ドルを集めることができたのだ。出金した人は、“Homebrew Satellite Builder”と書かれたTシャツから3Dプリンターで作成したPocketQubeの実物大模型や施設見学ツアーまで様々な報酬が送られたそう。

今までのところPocketQubeに興味、関心を持っているのは大学生、スタートアップ会社が多い。

現在軌道に乗っているT-LogoQube, QubeScout-S1, $50Sat, and WREN. T-LogoQubeは大学生が地球の磁気を計測するために組み立てたものだという。新しい太陽センサーをテストするQubeScout、世界一低価格の衛星$50Sat、カメラと小さいプラズマスラスターを搭載したWRENなど、新しい取り組みもしている。

そして、これらのPocketQubeはnanosats(ナノサイズ程の小さい衛星)と呼ばれ、NASAや他の宇宙開発企業から評価を受けている。

彼らが目指す世界

Alba Orbital社のCEOであるWalkinshaw氏は次のように語っている。

「PocketQubeは、学生や研究者が宇宙へのアクセスを得るにあたっての大きな障害を低くしてくれるに違いありません。以前はどんな学校、大学にでさえもPCはありませんでした。しかし今やPCのない学校はありません。ちょうど先月、初めて高校で生徒が自分達の衛星を軌道に乗せました。彼らに続いて、色々な学校でそれが行われるようになった時のことを想像してみてください。あなたは一年間の授業料以下で衛星打ち上げが可能になる訳です。」

彼が見ている世界は、自分のみが宇宙へのアクセス権を手にしている未来ではない。より多くの学生や研究者が、未知なる宇宙への探索を楽しむことのできる未来だ。                                                                                                

会社概要

会社名 Alba Orbital
CEO Tom Walkinshaw
設立年 2012年
拠点 イギリス
社員数 1-10人規模
事業内容 超小型人工衛星『PocketQube Satellites』の開発
主な商品 商品名、商品名、商品名
会社URL http://www.pocketqubeshop.com
沿革 2011年 創業
2014年 UKでstart up100に選出される

メンバー紹介

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Tom Walkinshaw

創業者兼CEO
総括的なマネジメントと、PocketQubeショップのディレクションを担当。Glasgow Caledonian大学では、ビジネスマネジメントと事業戦略学を専攻。

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左から順に、Ugne(電気エンジニア)、Ryan(物理学者)、Tom(事業開発)、Peter(機械エンジニア)
(出典:Alba Orbital 社公式サイト

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SAKIGAKE編集部

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