陽電子から生まれるビームで銀河をひとっ飛び-Positron Dynamics

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星座早見盤を見てみると宇宙には多くの星があるのが分かる。その中には自ら輝く星である恒星があり太陽系では太陽が唯一の恒星とされている。太陽の他に地球から一番近い恒星はケンタウロス座のアルファ星だが、そこへ行くとなると片道で実に3万年も掛かる距離だ。

しかし、Positron Dynamics社はより遠くの宇宙へより速く行く為に陽電子の研究と運用に取り組み、陽電子を用いる事によりアルファ星までたった40年で行けるという研究結果を出した。現在用いられているロケットよりも数千倍の速度を持つロケットの開発。

トイ・ストーリーのバズ・ライトイヤーの台詞にもある「無限の彼方へ」行く可能性をPositron Dynamics社が探る。

陽電子による世界初の反物質推進ロケット

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(出典:Positron Dynamics 社公式HP

反物質は宇宙中で最も強いエネルギーの集合体である。Positron Dynamics社の強みはその反物質エネルギーである”陽電子”を使った点にあり、これによって強力なビームを発生させられる。

その結果、プラズマスラスターを搭載したロケットエンジンよりも1000倍の効率性を生み出すロケットを作る事が出来るというのだ。その効率性を利用すれば人口衛星の長寿化、低軌道や静止軌道上での円滑な操作、低コスト化、高機動化などが可能となる。

このまま陽電子の研究開発がうまく続けば2020年から2030年の間には最大積載量100kgの太陽系探査機が毎秒100kmで進む事や3週間半で冥王星まで行く事も可能になる。

まとめ

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(出典:Positron Dynamics 社公式HP

スティーブン・スピルバーグ監督の映画「E.T.」で主人公エリオットの友人が「E.T.をビームで(仲間達の元へ)送れば?」と話し、エリオットが「これは現実だよ」と応えている場面がある。映画の公開当時にビームという発想はあったものの、実用化については果てしなく未来の事だと考えられていたかもしれない。しかし科学の進歩により、今では映画の世界だけでしかなかった事を現実にする事も可能になりつつある。

Positron Dynamics社は次の10年間で陽電子と反物質に関する実験を試みる。仮に実験が成功しなくとも陽電子と反物質に関する細かい情報が多く手に入る。それらを活かすPositron Dynamics社のフロンティア精神はいつか宇宙の彼方へと届くだろう。

会社概要

会社名 Positron Dynamics
CEO Dr. Ryan Weed
創業 2012年
拠点 アメリカ リバーモア(カリフォルニア)
社員数 1-10人規模
事業内容 陽電子を使ったロケットの開発
主な商品 Antimatter Annihilation(作成段階)
会社URL http://www.positrondynamics.com
沿革 2012年 創業
2016年10月 next BIG FUTUREで反物質に関するプレゼンを実施。
X年 向こう10年の間に陽電子と反物質に関する実験を行う予定。

メンバー紹介

Dr. Ryan Weed

Dr. Ryan Weed
CEO, Co-Founder
陽電子物理学の博士号をオーストラリア国立大学で取得。2012年の2月までPositron Dynamics社と同様の事業を行っているBlue Origin社にてエンジニアとして勤めていた。現役のアメリカ空軍パイロットでもある。

Dr. Josh Machacek

Dr. Josh Machacek
Co-Founder, CTO
オーストラリア国立大学で陽電子物理学の博士号を取り、ジェット推進研究の科学者である。

Bala Ramamurthy

Bala Ramamurthy
Co-Founder, COO
インドのAnna Universityで理工学士を取得し、世界の中でも進んだロケットや宇宙船の開発を手掛けるSpaceX社でエンジニアとして働いている。

Dante Sblendorio

Dante Sblendorio
Lab Scientist
Loyola Marymount Universityで物理学の学士号を修めてPositron Dynamicsでは真空系統デザインやデータ収集及び分析などを担当している。

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SAKIGAKE編集部

SAKIGAKE編集部

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