ロボットが手書きのメッセージで思いやりを伝える-Bond

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Twitter, Instagram, LINE等のオンラインコミュニケーションが主流となっている現代で手書きのメッセージを見る機会は大きく減ってきている。そんな時代にBondはオンラインで手書きの手紙、メッセージを作成、郵便するサービスを販売している。ロボットを活用しているこのサービスは、顧客の筆跡を解析し、まるで本人が書いたかのようなメッセージを大切な人に送ることを可能にしている。

失われていく思いやり

一昔前、いや現在でも年末は年賀状シーズンであり、年始には毎朝楽しみに郵便受けを覗くのは毎年の事だ。しかし、近年のスマートフォン普及により、所謂「あけおめメッセージ」で済ませる人が増えてきている。スマートフォンで連絡を取るのが便利なのは勿論だが、なにか物足りなさを感じないだろうか。手書きの年賀状から感じる温かみを。

時を超えた文化の融合

今の若者の親の世代、祖父母の世代には大きな写真アルバム、束になった手書きの葉書の束を思い出として残してある人も少なくないだろう。だが、現代の若者が年老いた時に振り返る思い出の形がコンピューターの中のデータだけという事になるかもしれない。

現代のテクノロジーと昔ながらの手書きのメッセージ、一見相反しているこの二つの技術を組み合わせ、革新的なビジネスを展開しているのがBondという会社だ。

Introducing Bond from Bond on Vimeo.

BondのCEO、Sonny Caberwal氏は思いやりがBondのサービスの背景にあると語る。人間は生まれつき思いやりに溢れているが、実際に目に見える形で示すことは少ない。忙しかったり、面倒くさかったりすることが多く、手紙を書くといったことも日に日に珍しくなっている。(参照:Gear Patrol「Should a Robot Write Your Mother’s Day Card?」)そこで、Bondは人々が時間と労力をかけずに心のこもった手紙を送る事を可能にしている。

注文の仕方はシンプルそのもの。専用アプリでメッセージの内容、住所を入力し、文字のフォントを選ぶだけで、相手の住所まで配達される。値段は1枚$2.99(約340円)と実際に手紙を書くのとコストはあまり変わらないだろう。

また、Bondは企業向けのサービスも行っている。企業のロゴや情報を便箋に入れたり、住所の管理などの企業向けサービスが主に利用できる。企業にとってBondは顧客と密なコミュニケーションを取るための非常に便利なツールと言えるだろう。実際、500社の企業がBondを利用して顧客に手紙を送ったところ、手紙を受け取った顧客は手紙を受け取る前により平均で1ヵ月に$16多く企業にお金を費やしたと言う。
(参照:A Handwritten Card, Signed and Sealed by the Latest Technology)

人間代わりの「右腕役」ロボット

このサービスの肝ともいえるのが実際にペンでメッセージを紙に書いているロボットだ。このロボットはペンを持つアームが上下に動き、紙が前後左右に動くことによって複雑な文字を書くことを可能にしている。
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(参照:Bond公式Twitter)

このロボットはまるで人間の様に文字を書くため、二つとして全く同じ文字を書くことはない。人間の様に、同じ「a」でも毎回書くたびに少しずつ文字は変わっているのだ。(参照:Gear Patrol「Should a Robot Write Your Mother’s Day Card?」)

更に、Bondはまるで本人がペンを握って書いたかのような手書きメッセージを作成する為のソフトウェアをも開発した。このソフトウェアは依頼者の筆跡のサンプルを分析し、ロボットがまるで依頼者本人の様にメッセージを書き上げる。誕生日、父の日、母の日等の特別な日にはもってこいのサービスだろう。ロボット、そしてソフトウェアのためにSonny Caberwal氏はロボットの専門家、エンジニア、活字技術者を集めてチームを結成し日々改良に取り組んでいる。

まるでVIP

更なる質の高いサービスを提供しているのがBond Blackだ。$1000もしくは$600という非常に高価なこのサービスは、主にメッセージの作成とコンシェルジュサービスの二つに分けられる。通常のBondと同じようにユーザーは専用アプリを使ってメッセージを作成する。しかし、コンシェルジュサービスが大きな違いを生み出す。

コンシェルジュはBond Black専用アプリからアクセス可能で、住所検索や速達の手配だけでなく、手紙とともに届けるプレゼントを選び、手紙と同じように届けてくれる。コストも決して安いとは言えないが、Bond Blackのサービスが魅力的なのは間違いないだろう。

Bond Blackの様なサービスは現在の市場ではなかなか競争相手がいない。今はユニークさで市場先取りしているが、似た様な会社、サービスが増えてもおかしくはないだろう。その時にどの様な形で変化する、もしくはしないのかが楽しみだ。

会社概要

会社名 Bond
CEO Sonny Caberwal
創業 2013年
拠点 アメリカ合衆国ニューヨーク
社員数 51-200人規模
事業内容 ロボットによって書かれる手書きのメッセージの作成、販売
主な商品 手書きメッセージの作成
会社URL https://bond.co
沿革 2013年 創業
2016年 Newell Brandsに買収される。

メンバー紹介

Sonny Caberwal

Sonny Caberwal
創業者、CEO
職歴 ジョージタウン大学、デューク大学、オックスフォード大学といった名門大学を卒業した。世界最大のインド系ファッションサイトExclusively.com、お茶専門のオンラインストアTavalonTeaを創業した後、2013年にBondを創業した。また、世界で初めてのシーク教徒のファッションモデルの一人でもある。(出典:LinkedIn

Michael Romanowicz

Michael Romanowicz
Vice President
ニュージャージー州立ラトガース大学で政治科学を専攻。卒業後、ソフトウェア会社Mr. UXを創立。現在はBondのVice Presidentとして活躍している。カラオケと辛い食べ物が苦手。(出典:LinkedIn

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SAKIGAKE編集部

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海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
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