最新の耳鳴り治療法は「ヘッドホンで音楽を聞くだけ」- MicroTransponder

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迷走神経刺激療法(Vagus Nerve Sitmulation(以下、VNS))という言葉をご存知だろうか。VNSは体内に電気刺激発生機を埋め込み、迷走神経にリード線を巻きつけ直接電気刺激を与え、てんかん発作の軽減をするための医療技術だ。1997年にアメリカで承認されて以降、現在世界70カ国で承認、日本でも2010年より施術可能となっている。

このVNSという治療法をてんかん発作軽減だけでなく、耳鳴りの軽減や脳卒中後の手脚運動の改善に発展させている最新医療が注目されている。

ヘッドホンから音楽を聞くだけの治療

従来、耳鳴りの治療には投薬や鍼灸治療が中心だが、 MicroTransponder社はVNSと音源を組み合わせた治療法の研究開発を行っている。これはVNSを利用することで耳鳴りの原因となる脳の過剰伝達反応を根本から解決する治療法である。

MicroTransponder社の開発したSerenity® Systemは、ヘッドホンで、特定の音調源を聴く事で体内の電気刺激発生機が迷走神経を刺激し、その電気刺激により聴覚分野の脳活動を正常に戻すというものだ。

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VNSを利用した耳鳴り治療の概要
(出典:MicroTransponder公式サイト)

通常VNSは、数ヶ月〜数年間定期的に外来に通い、医師の操作により電気刺激を与えられる必要があった。しかし、Serenity® Systemはヘッドホンで音を聞くだけでいいので、自宅やオフィスでの治療が可能だ。

治療中は読書をしたり、PCなどの電子機器を使用してメールの送受信やインターネットをしたりも出来る。従来と比べ患者の日常生活の自由度を格段に上げる治療スタイルは、今日のライフスタイルに沿う新しい医療技術と言えるだろう。

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治療の様子
(出典:MicroTransponder公式サイト)

脳卒中後のリハビリに効果をもたらす最新医療

MicroTransponder社は医療機器メーカーとして、脳卒中患者の身体機能改善における医療研究の成果も高く評価されている。同社が提供するVivistim® Systemは、VNSを利用したもう一つの医療機器である。この機器を脳卒中患者のリハビリに併用することで通常のリハビリのみを行う患者よりも3倍も手脚運動の改善効果をあげている。
(出典:Journal of Stroke

脳科学による医療技術の発展に期待

脳科学分野における研究は非常に幅広が広い。細胞や神経物質のミクロレベルから、脳という臓器、個体としてのダイナミックレベルまで多岐にわたる。このような複雑な分野の中で研究を重ね、医療機器を開発している努力は、想像を計り知れない。

彼らの成果は、最新医療として注目されているとともに、今まで出来なかった新しいアプローチの開拓となり、また新たな医療技術の発展を促している。

会社概要

会社名 MicroTransponder
CEO Frank McEachern
創業 2007年
拠点 アメリカ合衆国 テキサス
事業内容 医療機器開発製造
主な商品 Serenity® System、Vivistim® System
会社URL http://www.microtransponder.com

メンバー紹介

Frank McEachern

Frank McEachern
CEO
テキサス大学ビジネススクールにて経営学士号を取得。テキサス大学オースティン校ロースクールにて法務博士号を取得。前職はBaker Botts 法律事務所にて弁護士として企業買収・合併に従事。

Jordan Curnes

Jordan Curnes
代表取締役 兼COO
ノートルダム大学にて経営学士号を取得後、デューク大学にて経営学博士号を取得。
同社以外に、不動産業、通信機器業、web小売業種の3社の共同創立者を務める。

Navzer Engineer

Navzer Engineer
研究開発責任者
テキサス大学ダラス校にて脳神経学の博士号を取得。VNSを利用した新システムの開発に従事。

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SAKIGAKE編集部

SAKIGAKE編集部

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