地域の花屋を元気にするマーケットプレイス—BloomNation

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花屋は不況の煽りを受けやすい。アメリカではここ10年ほどの間に、花屋の数も減ったという。そんな中、アメリカ カリフォルニア州サンタモニカにあるBloomNation社は、花を贈りたい人と地元の花屋をつなげるプラットフォームを作った。

同社のサイトでは、送り先の郵便番号を入力するだけで、送り先近くの花屋でどんな花束やアレンジメントができるのかが一目瞭然だ。創業者の3人は、花屋でもなければITやeコマースの専門家というわけではない。それに、アメリカには、既に1-800Flowersを始めとしたオンラインで花を注文できるWebサイトはいくつもある。

それでも、背景知識を持たない彼らがこの業界に入り成功している。2011年設立以来登録している販売者数は3000以上になった。

旧体制的な花の通販しかなかった

創業者の一人であるShoraka氏はTime紙の取材に対し、これまでオンラインサービスを提供してきた企業は、電話注文時代のやり方をそのままインターネットに適用していただけだったと語る。サイトで使われているイメージ画像は、企業側が用意したもので、注文が入るとサイトと契約を結んでいる送り先近くの花屋が、そのイメージに合わせてアレンジメントを作る。つまりこれまでのサイトが果たして来た役割は、中間業者的な意味合いが強かった。

このやり方では、イメージ画像とかけ離れた花が届いてしまうというようなことも起き、購入者側に不満を残していただけではなく、花屋側も満足しがたいものになっていたそうだ。なぜなら、個々の花屋は顧客との直接のやり取りが出来ない上、デザインの決定権もないなど制約が大きかったからだ。また、20〜40%という手数料も大きな負担となっていた。(参考:Time「This Budding Startup Is Changing How You Buy Flowers」

BloomNationは花屋が活躍できる場を提供する

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これまでのやり方は、集客に重点を置き広告やマーケティングに力を注ぐ為に、小売店側にしわ寄せが行くのだとShoraka氏は指摘する。(参考:FOTRUNE「BloomNation wants to become the Etsy of flowers」)それに対し、BloomNation社が目指したのは、個々の花屋やフラワーデザイナーが主体性を持てるプラットフォームを作ることだった。

同社では、それぞれの花屋が持ち味を活かせるようにと考えており、花屋が自分でデザインして作ったアレンジメントの写真を載せた自分のページを持つことができる。店のその時々の状況に応じて、画像がアップデート出来るので、例えば、仕入れ状況に合わせて特別セールを打つというようなことも可能になった。

同社ではサイトを通じて集まったデータにより、市場傾向なども提供する。また同サイトには、出来上がったアレンジメントを配送前の時点で、注文者に画像で確認してもらえるようBloomSnapというツールが用意されている。なお手数料は、売買が成立した時の10%だけだ。

こうして多くの花屋が売り上げを伸ばし、中には登録前に比べ売り上げが5倍になったという店舗も出ている。また、実店舗を持たないフラワーデザイナー達にとっても、同サイトは活躍の場になっている。
(参考:TechCrunch「BloomNation, A Marketplace For Local Florists, Raises $5.6 Million Series A」)

起業背景と今後の展望

Shoroka氏は投資会社で働いていた時、起業を考えていた。ちょうどそんな頃、花屋をやっている同氏のおばは、不況に加えスーパーなどに客を奪われ経営に苦しんでいたという。そんなおばの姿と旧体制的な花の通販の現状が、BloomNation社のアイディアにつながっていったそうだ。信頼が第一と考える同氏は、起業するに当たり、ITや花業界の専門家ではなく大学時代からの親友2人を誘った。

その内の一人David Daneshgar氏はプロのポーカープレイヤーだった。アメリカでは、ワールドシリーズオブポーカーというトーナメントが開かれていて、そこで勝利して得られる多額の賞金とブレスレットは世界中のポーカープレイヤーの憧れとも言える。同氏は、そんなワールドシリーズオブポーカーのイベントで2008年に優勝した実力の持ち主だ。

実はBloomNation社の会社設立にもその特技が活かされているのだ。創業資金として30,000ドルが必要になった時、もう一人の友人であり創業者でもある Weisstein氏がポーカーのトーナメントを見つけてきて、Daneshgar氏に資金を稼ぐ為に参加するよう話を持ちかけたのだそうだ。結果見事30,000ドルの賞金を手にし、BloomNation社はサイトを立ち上げることが出来た。(参考:FasetCompany「How Three Dudes Turned Poker Winnings Into A Startup That Could Fix The Flower Business」)

Shoroka氏は、現時点ではフラワーギフトに専念するとしながらも、将来的には他のギフトにも応用していけるだろうとBusiness Rockstarsで語っている。地域の小売店を活性化させるBloomNation社の今後の取り組みに注目したい。

会社概要

会社名 BloomNation
CEO Farbod Shoraka
創業 2011年
拠点 アメリカ
社員数 11-50人規模
事業内容 消費者と地元の花屋をつなぐマーケットプレイスの提供
主な商品 BloomNation, BloomSnap
会社URL http://www.bloomnation.com
沿革 2011年 創業
2012年 シカゴ大学経営大学院のアクセラレータプログラム、New Venture Challengeに選ばれる。
2013年 Andreessen Horowitzなどから165万ドルを調達。
2014年 555万ドルを追加調達し、シリーズAラウンドを完了。

メンバー紹介

Farbod Shoraka

Farbod Shoraka
CEO 共同創業者
カリフォルニア大学バークレー校で経営学を専攻。卒業後は企業戦略やM&Aのアナリストとして経験を積む。BloomNation社では、戦略やヴィジョンといった面を担っている。好きな花はカサブランカ。(Linkedin

Gregg Weisstein

Gregg Weisstein
COO(最高業務執行責任者) 共同創業者
カリフォルニア大学サンタバーバラ校で経営学と会計学を学ぶ。卒業後はマーケットリーダーや卸売業者を対象としたコンサルタントとして働く。BloomNation社での担当は、全国各地の花屋が出店する同社のマーケットプレイスを上手く機能させていくこと。
好きな花は蘭。(Linkedin

David Daneshgar

David Daneshgar
営業及び事業開発責任者 共同創業者
ワールドシリーズオブポーカーの元優勝者。ポーカーで培った分析能力、対人関係のスキルを競争の激しいオンラインの花業界で活かしている。シカゴ大学経営大学院卒。好きな花は母を笑顔に変えるような花だという。(Linkedin

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SAKIGAKE編集部

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