分析装置のオートメーション化で、バイオガス普及を推進-Bioprocess Control

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スウェーデン南部の都市、ルンドに本社を置くBioprocess Control社は、バイオガス関連の研究施設および法人向けに分析デバイスの開発・販売を行っているスタートアップ企業である。同国内では、バイオガス業界のリーディングカンパニーとして知られている。

そもそもバイオガスとは一体何?

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(出典:Bioprocess Control公式サイト)

環境に優しいバイオ燃料の一つとして挙げられる、バイオガス。

バイオガスとは、家畜の糞尿、汚泥、汚水、食品ゴミ、木質廃材といった有機性廃棄物(バイオマス)を原料とし、発酵処理の過程で発生するガスの事である。メタンと二酸化炭素が主な成分で、他に窒素、水素、硫化水素などが微量に含まれている(メタンは50~75%、二酸化炭素は25~50%)。

発酵は酸素を必要としない嫌気性微生物の働きによって行われる。まず、気密性の高い発酵タンクに有機物とメタン菌などの微生物を投入。その後、無酸素状態で一定の温度を保ちながらタンク内を撹拌させると微生物が増殖。それに伴う代謝作用により有機物を分解し、バイオガスが生成されるのである。

再生可能エネルギー源として活用

主成分であるメタンはエネルギー源として活用でき、電気、熱利用、自動車・ボイラーの燃料など用途が幅広い。さらに、バイオガスを取り出した後に残る有機物の液体「消化液」には窒素、リンといった肥料成分が含まれているため、堆肥として農業に利用することも可能だ。

バイオガスは、今後45年で枯渇すると言われている化石燃料の代替エネルギー、またCO2排出削減の切り札として、ヨーロッパを中心に需要が増加し続けている。

オートメーション化により、効率的なバイオガス分析を実現

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Bioprocess Control社の主力製品、「AMPTS II」
(出典:Bioprocess Control公式ページ

このような環境負荷の低いガスを安定的に大量生成する為には、バイオマスを使ったメタン発酵の研究、分析が必要だ。そしてその中から、正確かつ信頼性の高いデータを収集する事が重要なのは言うまでもない。

Bioprocess Control社は、主力製品「AMPTS II」や「BioReactor Simulator」など、バイオガスに関する複数の分析デバイスを提供。これらのデバイスを通じて、バイオマス分析、メタンおよび水素発生量の測定、発酵プロセスのシミュレーションなどを行い、効率的なバイオガス研究やバイオガス工場での作業工程の改善を支援している。

分析・測定は全てオートメーション化されており、リアルタイムにデータを収集し、そのままPCのソフトウェアに転送され、テスト結果・評価に関するレポートが発行される。これにより、限られた人材でも合理的に研究を進められ、タイムマネジメントの改善も実現できる。

世界60ヶ国で販売実績

同社の製品は、バイオガス業界において「極めて正確で高品質のバイオガスデータが、容易かつ瞬時に手に入る」と高く評価されており、現在日本を含む60ヶ国に輸出販売されている。また、2008年に「スウェーデンのクリーンテック企業TOP30(Sweden’s Top 30 Cleantech Companies / “One Big Thing”)」に選ばれており、その他数々の賞を受賞している(詳しくは公式サイトの「Awards」参照)。

「環境先進国」のヨーロッパのみならず、日本でも普及活動に尽力しているバイオガス。その中でBioprocess Control社は今後、どのようにバイオガスの利用拡大に貢献していくのか、非常に楽しみである。

会社概要

会社名 Bioprocess Control
CEO Jing Liu
創業 2006年
拠点 スウェーデン Scheelevägen 22, 223 63 Lund
社員数 1-10名規模
事業内容 バイオガス生成に関する分析装置の開発・販売
主な商品 AMPTS II・µFlow・BioReactor Simulator
会社URL http://www.bioprocesscontrol.com
沿革 2006年 Kristofer Cook氏・Jing Liu氏により設立、Cook氏はCEO、Liu氏はCTOを務める
2009年5月 分析デバイス「AMPTS」を世界展開
2011年4月 アップグレード版「AMPTS II」を世界展開
2014年3月 Jing Liu氏、CEOに就任
2015年9月 欧州バイオガス協会に加盟
2016年4月 メタン発酵に関する情報サイト「Bioprocess Academy」を開設

メンバー紹介

Jing Liu

Jing Liu
創業者・CEO
2006年の設立以降、CTOとしてBioprocess Control社に勤務。2014年、同社のCEOに就任。15年以上にわたり、バイオガス生産における制御やオートメーションの最適化に注力。スウェーデンのルンド大学准教授(バイオテクノロジー・バイオエネルギー専門)としての顔も持つ。

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SAKIGAKE編集部

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