フィルター不要の「加圧式」汚泥脱水マシンを開発-Cequesta Water

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下水や工場廃水処理などの過程において、毎日膨大な量が生成されるスラッジ(汚泥)。

そのスラッジの含水率は90%以上あり、廃棄や再利用の為にそのまま外部へ運搬すると、ほとんど水を運んでいるという事になる。そのため、スラッジを大量かつ効率良く運ぶには、運搬車に積み込む前に含水率を低くする脱水処理を行い、スラッジの重量・容積を減らさなければならない。

現在、「フィルタープレス」「ベルトプレス」といった濾布(ろふ)を用いたスラッジ脱水機が主流であり、工業生産、食品加工、製紙、家畜など幅広い分野で使用されている。しかし、このような布状のろ過材は、脱水作業を繰り返すと目詰まりを起こし、結果的に脱水効率が低下するいう欠点がある。また、脱水されたスラッジ(脱水ケーキ)を掻き落とすのに手間がかかるとして、長年エンドユーザーの悩みの種となっていた。

「濾布なしの脱水工程」をコンパクトサイズで実現したASP

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Cequesta Water社が開発した主力製品、Automated Sludge Press (ASP)
(参照:Cequesta Water公式ページ)

イスラエルに拠点を置くCequesta Water社は、この問題点に着目し、濾布を一切使用しない脱水機、「Automated Sludge Press(以下、ASP)」を開発した。シンプルでコンパクトな外観ながら、スラッジの凝集から脱水処理まで、この1台で対応できるのが大きな強みだ。

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「スラッジ脱水モード」(左)と「汚水処理モード」(右)の流れ
(参照:Cequesta Water公式ページ

ASPには、汚泥の状態で取り込んで脱水する「スラッジ脱水モード(Sludge Mode)」、汚水の濾過工程をプラスした「汚水処理モード(Wastewater Mode)」がある。ここでは、「スラッジ脱水モード」の流れについて解説していく(公式サイト:Flash Player形式のアニメーション解説.。

まず、スラッジをマシンに流入。最初の工程として、凝集剤と混ぜ合わせてフロック化し、濃縮させる。固形化したスラッジはその後、上部の円柱内部にあるドラム型スクリーンとダイアフラム(弾性薄膜)のすき間へと運ばれ、脱水工程に入る。

すき間が満杯になるとセンサーが反応し、ダイアフラムは自動的に圧縮空気の供給により風船のように膨張していく。すると、スラッジがスクリーンに押し付けられ、スラッジの水分がスクリーンの外へと圧搾される。これにより、従来の方法よりも速く、かつ効率良く脱水を行う事ができるのである。

指定した圧縮時間を超えるとダイアフラムが収縮し、脱水された汚泥は「脱水ケーキ」として、マシンの外へ落下。運搬車で運び、処分すれば作業終了だ。

また、ドラム型スクリーンを自己洗浄する「シャワー機能」も搭載されており、こびり付いたスラッジを高圧の水で洗い落とすのもASPの特徴だ。

ASPを導入するメリット

・濾布を含むフィルターは一切不要
・自己洗浄のため、スクリーンとダイヤフラムは常に清潔
・コンパクトサイズなので、移動・設置が容易
・部品の95%が安価なので、マシン導入・部品交換においてもコストダウンを実現
・PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)により、24時間自動コントロール

ASPの開発により、また新たなスラッジ脱水方法を生み出したCequesta Water社。同製品のような脱水機が世界中に広がれば、「スラッジ脱水=手間がかかる」という固定観念が払拭できるかもしれない。Cequesta Water社の今後の活躍に要注目だ。

会社概要

会社名 Cequesta Water
CEO Eitan Sharir
創業 2007年
拠点 イスラエル Habrosh 3, P.O.Box 7221 Gan –Yavne, 70800
社員数 1-10名規模
事業内容 汚水処理・スラッジ脱水用マシンの開発
主な商品 ASP等
会社URL http://www.cequesta.com

メンバー紹介

Eitan Shari
CEO
Tamar Naveh-Koren
マーケティング・マネージャー
David Waimann
キャリア・デベロップメント・マネージャー

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SAKIGAKE編集部

SAKIGAKE編集部

海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
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