プロの仕事を身近に感じる!国境越える「ギグ」売買プラットフォーム-Fiverr

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米国を拠点とするスタートアップのFiverr社が開発したプラットフォーム「Fiverr(ファイバー)」は、グラフィックデザイン、映像・サウンド制作、原稿執筆、コピーライティング、プログラミングなどの多種多様なプロフェッショナル・サービスを「ギグ(gig)」と呼ぶ単位で売買するシステムだ。

Fiverrに参加する売り手は、「“Five”rr」の名の通りギグ1件あたりの価格を「5ドル」を下限として最高500ドルまでの範囲で自由に値付けができる。世界196カ国1000万件に及ぶ「ギグ」が登録されており、買い手はプロの仕事を必要な時にすぐに頼める。

名刺制作から競馬実況まで!?

ともかくまずはFiverrの画面を見てみることにしよう。画面を開くと100種類に及ぶカテゴリーの中からギグの分類表示ができるメニューがある。気になるギグを探してみよう。まずは「名刺とステーショナリー」のセクションを覗いてみる。

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お気に入りのかっこいい名刺が見つかれば、5ドルからカスタムメードで作ってもらえる
(出典:Fiverr社公式サイト

一見するとショッピングサイトのようなサイト構成だが、リストされているのは言うまでもなく「商品」そのものではなく、カスタムメード・サービスとしての「ギグ」のプレゼンテーション用の画像だ。

名刺デザインは印刷会社に格安で請け負ってもらえる場合もあるが、凝ったデザインの名刺が欲しいときはFiverrを覗いてみるのも選択肢のひとつだろう。お気に入りのかっこいい名刺デザインが見つかれば、5ドルを基本価格として短縮納期などのオプション込みの複数の価格が提示されるので、基本価格ないしは要望にあったオプション価格の指定の上で名刺デザインを作ってもらえる。

続いて、「3D&2Dモデル」のセクションを見てみよう。

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建築物の3Dモデリングの「ギグ」が多いようだ
(出典:Fiverr社公式サイト

建築物のほかジュエリーやマグカップなどの3Dモデリングのギグが主に登録されているが、レストランやバーの装飾デザインで200ドルの値を付けたギグもある。ギグの詳細検索は、画面上部のメニューから「建築&インテリアデザイン」「オブジェクト&プロダクト」「キャラクター造形」などの使用用途から絞り込んで検索できるほか、ファイル形式を指定して、JPG、DWG、PDF、SLDDRWなどといった図面ファイルの納品形式からの絞り込みも可能だ。

さらに、「ボイスオーバー」のセクションを覗いてみよう。

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ボイスオーバーは、「ギグ」提供者の音声ファイルでのサンプルを聞くことができる
(出典:Fiverr社公式サイト

ボイスオーバー(voiceover)とは、映画などの映像素材に録音された元の音声を除去したうえで別の音声を重ねる録音技法のことを指し、翻訳の吹き替えなどに用いられる。こちらもメニューから言語を指定して絞り込み検索が可能だ。

言語は英語、スペイン語、中国語などから選べるうえ、英語であれば「ブリティッシュ」や「南米訛り」など地域固有の訛りやアクセントも言語別に指定できる。さらに、テレビ・ラジオなどの放送用、ナレーション、ボイスメール用などといった使用用途のほか、男性・女性の声の性別でタグ付けされているため用途に応じて検索しやすい。

中でも変わり種としては、「私はあなたが用意した原稿を競馬実況そっくりに聞こえるようにします」と称しているギグや「私は日本語ないしは日本語訛りの英語のボイスオーバーができます」というギグなどは、どこか味わいがあって印象深い。

「競馬実況」のほうは、どんな原稿でも競馬実況ふうの口調やテンポや間の取り方から競馬場の雰囲気を再現するように読み上げる技能のようだ。一方、「日本語訛りの英語」は、おそらく「apple!」だったら「アッポー!」ではなく日本人風に「アップル!」と発音してくれるということだろう。いずれもマニアックな技能のようにも思えるが需要はあるとみられる。

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どんな原稿でも競馬実況そっくりに読むAsinflynnさん(左)と日本語訛りの英語の発音ができるJuri Loveさん(右)
(出典:Fiverr社公式サイト

このように、比較的高度な技能を保持するフリーランサーたちによって提供されるギグを売り買いできるのが「Fiverr」というプラットフォームだ。また、画面上にギグの質を買い手が判定する5段階の格付けが星の数で表示されるため、ギグの提供を受ける際の判断の目安になる。

支払いはクレジットカード、PayPal、そしてビットコインにも対応し、売買履歴の管理などは専用の管理画面から行うが、使い勝手は一般的なショッピングサイトとほぼ同等だ。「ギグ」の売り手は、国際商取引用のオンライン決済サービスで知られるPayoneer社が発行するFiverr専用のデビットカード「Fiverr Revenue Card」経由でギグを販売した代金の引き出しを行うこともできる。

196カ国1000万件におよぶギグ経済圏

Fiverrに登録されたギグの総数は世界196カ国で1000万件、サービスカテゴリーは100種類に及び、世界最大の「ギグ経済圏」を形成している。(参照:Fiverr® Continues Momentum, Adds Industry Expertise Through New Head of Business Development
こうしたFiverr上の膨大なギグの総体をギフトカタログと見立てて、親しい人への贈り物代わりに「ギグ」をプレゼントするという活用法も考えられる。

オンラインで誰もが世界の仕事師たちと出会えることを可能にする「人と人とを結びつけるプラットフォーム」として、Fiverrが世界各地のコミュニティーの価値を高めてゆくことも期待されてゆくだろう。

会社概要

会社名 Fiverr
CEO Micha Kaufman
創業 2009年
拠点 米ニューヨーク、シカゴ、マイアミ、サンフランシスコ、テルアビブ
社員数 201-500人規模
事業内容 オンライン・サービス売買プラットフォームの運営
会社URL https://www.fiverr.com
沿革 2009年 創業
2013年7月 国際オンライン決済サービスのPayoneer社と業務提携
2014年8月 Qumra Capital社から3000万ドルを調達(シリーズC)
2015年11月 Square Peg Capital社から6000万ドルを調達(シリーズD)

メンバー紹介

Micha Kaufman

Micha Kaufman
共同創業者・CEO
1997年、ハイファ大学法学部卒後、シリアル・アントレプレナーおよびエンジェル投資家としての経験を積み、2009年にFiverr社を創業、CEOに就任。「WIRED」と「Forbes」の定期寄稿者としても知られる。(参照:LinkedIn

Shai Wininger

Shai Wininger
共同創業者・CTO
「Fiverr.com」の発案者。20年以上にわたり複数の企業設立を通してプロダクトデザインに情熱を傾けてきた。2015年には財産保険を取り扱うLemonade社を創業し、従来より透明性の高い保険業のビジネスモデル構築に挑んでいる。(参照:LinkedIn

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SAKIGAKE編集部

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海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
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