低所得者を負のスパイラルから救うローン会社-LendUp

CATEGORY: GENIUS

TAG:

格差社会と言われるアメリカにおいて、格差の拡大を助長しているクレジット・スコアという仕組みがあります。スコアが悪いために負のスパイラルに陥る低所得者を、LendUp社のサービスが救います。

 

アメリカではクレジット・スコアで個人の信用力を測る

クレジット・スコアという言葉をご存知でしょうか。アメリカではクレジットカードやローン、家賃などの利用・支払履歴をもとに個人の信用力が数値化され、金融サービスを利用する際の条件の決定や、就職面接・住宅の入居審査の際にも基準の一つとして考慮されます。

クレジット・スコアが髙ければ預金金利は高く、ローンなど借入時の金利は低く設定されます。スコアが低いと、預金金利は低く、ローンの金利は高く設定されるなど、不利な条件で金融サービスを利用することになり、最悪の場合、銀行やクレジットカード会社に断られ、消費者金融に頼らざるを得ないこともあります。どちらの場合がその後の資産形成をし易いかは明らかです。

銀行やカード会社の立場からすれば、融資の際に審査の労力と時間を削減するためにクレジット・スコアを採用し、スコアの低い層に対しては貸し倒れのリスクに備えて高い金利を課す、というのは合理的に思えます。しかし低所得な利用者は、クレジット・スコアが低いために高い金利を課され、返済が困難になり、また悪いクレジット・ヒストリーがついて更にクレジット・スコアが悪くなる…という悪循環に陥ります。

lendup_1
 

低所得者を悪循環から救う、LendUp

サーシャ・オリオフ氏は“すべての人が質の高い金融サービスを利用できるべき”という信念のもと、LendUp社を設立しました。同社では、クレジット・スコアに加え、SNSの利用履歴や住所など従来より多くの項目を基準に取り入れた独自のアルゴリズムで審査を実施します。そうすることで、他の事業者よりも比較的安い金利でローンを提供出来るのです。

また、利用者が金融に関する知識を高めてより豊かに暮らせるよう、無料の金融教育コンテンツも用意しています。そのコースを受講したり、ローンを返済すると得られるポイントを貯めれば、より良い条件で融資を受けられるようになります。LendUpでサポートを受けながら借り入れと返済を適切に繰り返していくことで、クレジット・スコアを改善することもできます。

 

「クレジット・スコア」が悪いのか

日本でも、みずほ銀行ソフトバンクの合弁会社「J.Score」が、顧客情報をスコア化して融資審査を行うサービスを2017年度から日本で初めて行う予定です。
(参考:新しいレンディングサービス開始に向けた合弁会社設立について
2008年にアメリカから日本への「年次改革要望書」にて「スコアリングに基づいたリスク管理」の提言を受けていることもあり、「日本でもついにクレジット・スコアが導入されるのでは」と危惧する声もあります。

しかし“一生懸命人生を頑張る人の夢の実現を応援する”ことを目指し、両者のビッグデータを活用して、審査の応諾範囲を広げ、他社より安い金利での融資を目指すというJ.Scoreの思想は、LendUpのそれと近いように思います。

どのようなモデルを採用するのであれ、仕組みを構築し運用する「人」が、誰にどのような価値を提供し、社会をどう変えていきたいのか、きちんと意識して行うことが必要であると筆者は考えます。

会社概要

会社名 LendUp
CEO Sasha Orloff
創業 2012年
拠点 アメリカ
社員数 201-500人規模
事業内容 低所得者向けローン提供
主な商品 LendUp Loans
会社URL https://www.lendup.com
沿革 2012年 創業
2015年 米国ビジネス誌『Fast Company』が発表する『最も革新的な企業ランキング』の個人向け金融業の分野でランクイン

メンバー紹介

Sasha Orloff

Sasha Orloff
CEO/創業者
いくつかのスタートアップで働いた後、ムハマド・ユヌス氏の著書『Banker to the Poor』に感銘を受け退職し、グラミン財団にて小規模金融向けのプログラムを開発。その後MBA取得、シティグループでの勤務を経て、LendUpを始める。

TAG

WRITER

SAKIGAKE編集部

SAKIGAKE編集部

海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
MEDIA |  |