研究しない研究所!?'研究コミュニティ'で人とアイデアをつなぐ-Berkeley BioLabs

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近年、日本の研究者たちの活躍はめざましく、毎年授与されるノーベル賞では、2012年以降日本人がノミネート、受賞される快挙が続きました。研究は一日にしてならず、何年もかけて多くの人が関わり色々なアイデアを組み合わせる・・・地道な努力の結果、様々な成果を生み出し、社会に貢献しています。

より良い技術や製品を生み出す縁の下の力持ち、そんな研究開発の世界で、強力なサポートを提供すべくスタートしたBerkeley BioLabsをご紹介します。
 

組織や分野を超えた新しい研究モデルを

Berkeley BioLabsは、2013年にスタートし、バイオテクノロジー分野を専門とした研究施設を運営し、実験設備・スペースを個人研究者や、企業に提供しています。

同社のコンセプトは、ただ実験スペースを提供するだけには留まりません。従来、実験や研究を進める為には、会社や大学が自前の研究室を構え、基本的には同じ組織か、あらかじめ提携された複数のチームの共同研究として行われています。

Berkeley BioLabsは、その様な従来型の研究モデルとは全く異なり、研究者同士がアイデアを共有し、彼らの分野、組織を越えたコラボレーションを生み出す為の共同研究スペースとして機能するよう設立されました。

同社がバークレー市内に開設した複数の施設では、分子生物学、生命遺伝子・情報分野の実験、ハードウェアのプログラミングができる機材を揃え、科学技術分野の起業ワークショップを開催するなども行っています。

Berkeley BioLabsの特長は、組織の形態問わず、企業、大学、個人研究者、誰でもメンバーになれる点です。実験スペース・ミーティングルーム・文献などの検索データベースを提供し、同じ場所に様々な研究者が集える環境を提供しています。

複数の団体、個人研究者が同じスペースを共有することにより、専門分野や所属組織を超えた人脈づくりや情報交換、そして新たなアイデア発掘を促進するのが狙いです。
 

アイデアを育て、ビジネス展開までサポートする研究所

同社のコンセプトの最大のメリットは、大学や会社組織に所属しない有望な個人研究者をサポートできることです。

研究に必要な文献や資料の検索などは、基本的に組織に所属していないことには、データベースにアクセスすることが十分にはできません。同社は検索ソースの提供にも力を入れており、個人でもラボのメンバーになることにより、必要なデータベースを自由に閲覧、活用することができます。

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(出典ːPixabeyウェブサイト

また、同社が未来に向けて目指すのは、Incubator(インキュベーター)という役割を担うことです。もともとは卵の孵化装置や培養器という意味ですが、ビジネスにおいては、アイデアを温め、実現化する、という意味あいで使われています。

同社の施設では様々なバックグラウンドを持つ研究者が集い、アイデアの構築のみならず、インキュベーターとして、アイデアを生かした起業やプロジェクトの設立をバックアップします。

一般的な共同研究スペースは ’Hackerspace’ (ハッカースペース) と呼ばれていますが、同社が掲げる目標は ‘Hackubator’ (Hackerspace + Incubator) となり、将来性のある研究をビジネスとして進化させる機能を併せ持つことです。

そして、研究環境が限られた個人で活動する研究者でも、活躍の場を広げる機会を提供できるのです。組織やチームにとらわれない自由な発想を世に導く ― この小さくとも限りない可能性を秘めた'研究コミュニティ'で、偉大なる未来の科学者が着々と育っているに違いありません。

会社概要

会社名 Berkeley Biolabs Inc.
CEO Ryan Bethencourt
創業 2013年
拠点 614 Bancroft Way Building 2 Suite A Berkeley, CA 94710 United States
社員数 11-50人規模
事業内容 バイオテクノロジー研究用施設、実験スペース、ワークショップの運営
主な商品 研究・実験スペースHackerspace: ‘Mothership HackerMoms‘
会社URL http://www.berkeleybiolabs.com

メンバー紹介

Ryan Bethencourt

Ryan Bethencourt
Chief Executive Officer, Co-Founder, Program Director
バイオファーマ分野で、医薬品の開発経験を持ち、研究・リサーチ企業California Clinical Trials Medical Group, Incにて医薬品開発ビジネスのディレクターとして活躍。ファイザー、ジョンソンアンドジョンソン、武田薬品工業株式会社など、アメリカ、EU、日本の数多くの企業で新薬の開発、米国食品医薬品局 (Food and Drug Administration (FDA) への申請・承認に携わっている。サニーベイル、オークランドで非営利のバイオ分野教育機関BioCuriousの設立にも協力し、Genescient Pharmaceuticals社でCOO、 Halpin Neurosciences社でCEOも務める。Berkley BioLabs設立以前にはSudo Room、 Counter Culture Labsなど、インデペンデント系研究コミュニティを立ち上げ、現在も取締役として名を連ねている。ケンブリッジ大学にて、バイオサイエンスビジネス分野で修士号を取得。(参照:LinkedIn

Ron Shigeta, Ph.D.

Ron Shigeta, Ph.D.
Co-Founder
Berkeley BioLabs共同設立者。抗体・試薬を扱うAffymetrix社で研究者として活躍。Indie Bio社で最高科学責任者 (Chief Scientific Officer) を務めた経歴を持ち、企業で勤める傍ら、研究者、コンサルタント、代表者としてバイオテクノロジー産業における多数のスタートアップに携わる。プリンストン大学で生物物理学博士号を取得。(参照:LinkedIn

Kyle Taylor, Ph.D.

Kyle Taylor, Ph.D.
Co-Founder
Berkeley BioLabs共同設立者。シリコンバレーのバイオテクノロジー研究者を育成する教育・研究施設BioCuriousで分子細胞生物学の講師として教鞭もとっており、生物学をもっと身近に感じてもらえるような機会づくりに情熱を向ける。植物遺伝子工学を手掛けるTAXA Biotechnologies社でも植物学のエキスパートとして高い評価を得ている。アイオワ州立大学で農学・生化学分野を専門とし、栽培学も併せて学ぶ傍ら、スタンフォード大学で細胞分子生物学の博士号取得。(参照:LinkedIn

Cameron Clarke

Cameron Clarke
Co-Founder
Berkeley Labs共同設立者。革新的科学技術の応用・実現化を手掛ける起業家。ソフトウェアのプログラミングの経験を積み、マルチメディア系投資事業に関する造詣が深い。2000年に政府、金融、ヘルスケア産業向けのインターネット動画ストリーミングサービス企業・VodiumをCEOとして設立。設立に携わったベンチャービジネスは米国のAmazon Maniaをはじめ、福利厚生・保険サービス、ブラジルからの農産物・アサイーの初輸入、工業用金属の貿易など多岐にわたる。シリコンバレーのバイオ系ラボBioCuriousで藻類に関するリサーチチームを牽引する。スタンフォード大学卒。(参照:LinkedIn

Jay Hanson

Jay Hanson
Co-Founder
Berkeley Labs共同設立者。発明家、投資家、ものづくり研究家。アップル社の運営ディレクター、スキャニング機器のVisoneer Incでエンジニア部門副社長を歴任し、現在は'市井の科学者'として、自ら分子生物学に関する知識を身に着ける。バイオテクノロジーにおいて、次世代の新しい科学技術の発掘・開発をリードすることに情熱を注ぐ。(参照:LinkedIn

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SAKIGAKE編集部

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海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
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