ロケット開発の革命企業-Firefly Space Systems Inc.

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人工衛星は現代の生活に欠かすことが出来ない存在となった。その必要性は科学の進歩と共に、ここ数年でさらに強まったと言える。その人工衛星を地上1万5千kmの高さまで運ぶのには、発射装置であるロケットが必要だ。しかし、それには高額の費用がかかる。その概念を一変するスタートアップ企業Fireflyがアメリカ中部のテキサス州に誕生した。目的はただ1つ。「低コスト高性能のロケット開発」である。

自社開発ロケット「Firefly Alpha」

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(出典:Fireflyspace公式サイト

現在、小型人工衛星の開発は十分な支援が受けられていない。理由としては通常の人工衛星と違い、小型化と軽量化により性能が増す為、費用がかかってしまうのだ。従ってそれに必要とされる発射装置にも同じ課題が生じるのだ。Fireflyは自社開発のロケットでその問題対策に取り組んでいる。そして、NASAの元職員であるCEOのトーマス・マークシックを筆頭に、優秀な技術者達によってロケット「Firefly Alpha」の開発に成功した。Firefly Alphaは1000kg未満の小型人工衛星に使用可能であり、Fireflyが求めていた「低コスト高性能」を実現させたロケットとなった。従来のロケットとの違いは、そのエンジンにある。Firefly Alphaにはエアロスパイクという特殊なエンジンが使われている。

日の目を見なかったスパイクエンジンの活用

スパイクエンジンはNASAの再使用宇宙往還機であるX-33やベンチャースターに使用される予定であった。しかしそれらの機体の開発に難があり、さらに予算超過も手伝って計画は凍結され、スパイクエンジンが当時日の目を見ることはなかった。Fireflyはこのエンジンが空気力学を用いることにより、ロケットが飛行している際の圧力範囲を効率的にする点を評価し、Firefly Alphaのエンジンとして採用したのだ。その結果、合理的かつ革新的なロケット開発に成功したのだ。

2015年10月には2018年に行われるCubeSat(小型人工衛星の一種)のデモンストレーションの担当企業として、NASAと約5億5千万円の契約を交わしたFirefly。今まで使われなかったエンジンを用いてロケットの低コスト化を実現させた企業力と勢いは、まさに本物である。今後ますます進化し、性能を求められる人工衛星にどの様なアイディアで対応していくのか。その活躍からは目が離せなくなるだろう。

会社概要

会社名 Firefly Space Systems Inc.
CEO Thomas E Markusic
設立年 2014年7月
拠点 アメリカ テキサス州
社員数 150人規模
事業内容 小型人工衛星の為の「低コスト高性能」なロケットの開発、生産、商品化
主な商品 Firefly Alpha
会社URL http://www.fireflyspace.com/
沿革 2014年7月 創業
2014年8月 General Astronautics, LLCと戦略的パートナーシップを結ぶ
2014年8月 Texas Advanced Computing、ANSYS, Inc.と共同提携を発表
2015年1月 NASAと提携合意
2015年9月 ロケットエンジンシステムの実験に成功

 

メンバー紹介

Thomas E. Markusic

Thomas E. Markusic
CEO
技術者としての一面を持つTom。これまでVirgin Galactix、Blue Origin、Texas Test Site、SpaceXで管理者や技術者として働いた経歴を持つ。NASAやアメリカ空軍にて研究者や推進エンジニアとして働いた経験もある。

Michael-A.-Blum

Michael A. Blum
Chief Financial Officer
Michelは現在、オンライン金融メディア会社のHedgeye Risk Managementやマカオのカジノやホテルの経営及び金融関係を担うAsia Leisure Capitalの社長を兼任。PayPalでシニアマネージャーの経験も持つ。宇宙に対する熱い思いを持った企業家だ。

P.J.King

P.J.King
Co-Founder
PJはダブリンのTrinity Collegeで物理学の学士号、イギリスのCranfield Universityで宇宙航行学と航空宇宙工学の修士号を取得。2007年にイギリスのCNG Travel Group plcの民営化に成功。当初2300万ドルの損失を見積もられたが、800万ドルの営業利益を残すという手腕を発揮した。FireflyではReResearch LLCを設立し、問題解決に取り組んでいる。

SheySabripour

Shey Sabripour
Chief Technical Officer
Sheyは常に先見の明を持って28年以上ハイテク製品の開発においてリーダーシップを発揮してきた。Lockheed Martin Space System Companyでは370人の技術者と科学者を率いて、38もの人工衛星や惑星間用の宇宙船のデザイン、開発、生産、そして発射に貢献。Lockheed Martin Space Companyでの24年間で2005年The person-of-the-yearを含む14の賞を受賞している。

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SAKIGAKE編集部

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海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
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