ネットワークに侵入されても平気!セキュリティ最後の砦-enSilo

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あらゆる手段を使って巧妙に企業のネットワークに侵入し、重要なデータを盗んだり、改ざんしてしまうサイバー攻撃者。その脅威を阻止するため、サイバーセキュリティ企業はいかに侵入を早期に食い止めるか試行錯誤を続けている。そんな中、今回紹介するenSilo社は、サイバーセキュリティ企業として斬新な一つの結論を出した。

「ネットワークへの侵入を食い止めるのは不可能だ」―もちろん、そこであきらめてもらっては困る。enSilo社の開発したデータセキュリティプラットフォームは、サイバー攻撃者が企業のネットワークに侵入し、まさに重要なデータの在りかを見つけ出してしまってから本領を発揮するのである。

OSデータの徹底分析で、データの盗難、改ざんを防ぐ

enSilo社のプラットフォームの役割は、サッカーに例えるならゴールキーパーだ。いくら華麗なドリブルで守備を突破しても最後にキーパーにボールを止められたら得点にならないのと同じように、データを盗もうとする悪意のあるハッカーがいくら高度な技術でネットワークに侵入し、重要なデータの在りかを見つけ出したとしても、enSilo社のプラットフォームはセキュリティの最後の砦としてデータへのアクセスをブロックし、ハッカーは目標達成できない、というわけだ。

ハッカーにとってのゴールである重要なデータは、ネットワーク上の端末やサーバーに存在する。そこでenSilo社が目をつけたのがその端末やサーバーを制御するOSだ。enSilo社のプラットフォームは、OSのデータを独自の技術で収集・分析することにより、データファイルへの不審なアクセスを遮断するのである。

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enSilo社のプラットフォームの説明図。
①まず一つ目のプラットフォーム「enSilo Collector」がOSのデータを収集し、②その中からファイルへのアクセスにかかわるものを第二のプラットフォーム「enSilo Core」へと送信③enSilo Coreがデータを分析、データの盗難・改ざん防止策を実行④安全なアクセスのみ許可―という流れで対策を行う。
(出典:enSilo社公式ページ

データの盗難と改ざんを防止するenSilo社のプラットフォームは、ここ最近被害の多発している、ファイルを勝手に暗号化して「身代金」を要求するランサムウェアへの対策にも活躍している。

シンプルなプラットフォームの最大のメリットとは?

複雑なネットワーク全体を監視するのではなく、OSのデータをピンポイントで分析するenSilo社のシンプルなプラットフォームを利用する企業にとってのメリットは、なんといってもサイバー攻撃者が今まさに企業のネットワークに侵入しているという状況でも、通常通りの業務を行えるということだ。

ネットワーク分析型のプラットフォームの場合、サイバー攻撃者がネットワークに侵入した時点で厳戒体制となり、警告への対応に追われたり、場合によっては攻撃者の進行を妨げるため業務に必要なアプリケーションの使用を停止しなければならないかもしれない。

対して、enSilo社のプラットフォームは「不審なアクセスがあった」という異常を報告する時点では既に攻撃者のアクセスをブロックしているのである。サイバー攻撃者が企業のネットワークのどこかに潜んでいるかもしれない、という状況で業務を行うなんて、不安に感じられるかもしれない。しかし、山のような警告で、セキュリティ対策をしているという無駄な安心感が得られても、その多くが誤検知によるものだったら元も子もない。

サイバーセキュリティ調査の専門企業であるGartner社からもデジタルな業務環境におけるセキュリティ分野の優秀企業として認められているenSilo社。セキュリティの業務に対する影響を最低限に抑えるという、企業への配慮は確かなものだ。複雑なセキュリティをシンプルにする斬新なアイデアで、これからも企業に優しいセキュリティを貫いてくれそうな企業だ。

会社概要

会社名 enSilo Ltd.
CEO Roy Katmor
創業 2014年
拠点 アメリカ合衆国
社員数 51-200人規模
事業内容 データセキュリティプラットフォームの開発
主な商品 enSilo Collector、enSilo Core
会社URL https://www.ensilo.com
沿革 2014年 創業。シードラウンドにて200万ドルの投資を受ける。
2015年 シリーズA投資ラウンドにてLightspeed Venture Partners社等より1000万ドルの投資を受ける。
2016年 Gartner社の「Cool Vendor in Digital Workplace Security 」に選出される。シリーズA投資ラウンドにてRembrandt Venture Partners社等より900万ドルの投資を受ける。

メンバー紹介

Roy Katmor

Roy Katmor
CEO・創業者
テクニオン-イスラエル工科大学で情報システムの学士号、ヘブライ大学でMBAを取得。enSilo社創業以前はImperva社でデータセキュリティ製品の運用や、Akamai社でセキュリティ戦略に携わる。その他にも多くの民間企業や公的機関で製品運用や研究開発に携わってきた。

Udi Yavo

Udi Yavo
CTO・創業者
オープン大学でコンピューターサイエンスの学士号を取得。イスラエル国防軍でのシステム開発の経験も持つ。enSilo社創業以前はRafael Advanced Defense Systems社でサイバーセキュリティチームのリーダーを務めた。

Tomer Bitton

Tomer Bitton
研究部長・創業者
Radware社やRSA Security社といったサイバーセキュリティ企業でセキュリティやマルウェアの研究に携わる。その後、Imperva社でセキュリティチームのリーダーを務め、Rafael Advanced Defense Systems社でもセキュリティ研究を行ってきた。

Ido Kelson

Ido Kelson
開発部長・創業者
テルアビブ大学で物理学の修士号を取得。enSilo社創業以前はImperva社に10年間勤め、主力製品の開発に携わり、研究開発チームのリーダーを務めた。同社で開発した技術で特許を取得し、様々な賞を受賞した。

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SAKIGAKE編集部

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海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
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