見込み客の電力消費データを瞬時に収集。ソーラー発電の普及を支援-UtilityAPI

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新規の顧客獲得に向けてソーラー事業者は、見積もり段階でソーラーパネル導入後の料金シミュレーション、つまり「従来と比べ、電気代をどのくらい節約できるか」を試算しなくてはならない。

ソーラー発電の普及を進めているアメリカでは、正確に節約予測金額を算出する為に、見込み客の過去の電気使用量、請求額などのデータを電力会社から取得するケースが多い。そのため、事業者は見込み客から委任状を受け取り、電力会社に申請。その後、データを受領するのが一般的な流れである。

しかし、この方法ではデータが発行されるまで少なくても2~3週間を要すると言われており、この長い待機時間で貴重な潜在的顧客を失ってしまう事がよくあるという。それにより、顧客獲得にかかるコストだけがかさみ、思うように販売活動が進まないという不満が事業者の間で噴出していた。

電力会社から「瞬時に」請求データの取得を実現

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(出典:UtilityAPI公式ホームページ

カリフォルニア州オークランドに拠点を置くUtilityAPI社は、この苦しい現状を打開すべく、電気消費に関するデータをPC・スマートフォンで収集できるプラットフォームを立ち上げた。全米で14社(2016年11月現在)の電力会社をカバーしており、契約者の電気使用量と電気代の明細履歴を、電力会社から直接かつ瞬時に手に入れる事が可能となった。このプラットフォームの誕生により、見込み客を待たせる事無く、ソーラーパネル設置の見積価格と将来における節電予測を提示できるのが大きなメリットだ。

データの取得方法は、まずソーラー事業者がUtilityAPI経由でソーラー発電に興味を示している顧客にリクエストメールを送信。メール本文に貼られているリンクをクリックすると、請求データの送信を許可する手続の画面が現れる。顧客側がそこに必要事項を記入し承認すれば、即座に事業者のアカウントに顧客情報が転送され、自由に閲覧できるようになるのである。

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Excel形式に変換された電気料金の請求書データ
(出典:UtilityAPI公式ホームページ

さらに、上の画像のように過去の電力消費と請求額をExcel形式で一括データべース化できる機能も搭載されているので、グラフ作成やデータ抽出にも役立つツールとなっているのだ。

米エネルギー省から762,530ドルの資金提供

このプラットフォーム開発は「新規の顧客獲得にかかる時間、およびコストをカットさせ、ソーラー発電の普及を促進させるものである」と高く評価され、UtilityAPI社は2015年、「アメリカ合衆国エネルギー省(DOE)から762,530ドルの資金提供を受けた。(参考:ENERGY.GOV)加えて、ベンチャーキャピタルを含む複数の投資家からもこれまでに900,000ドル近くを調達しており、同社に将来性をいかに見出しているかがよくわかるであろう。(参考:AngelList

全米から注目を浴びているUtilityAPI社。今度どのようにソーラー発電の普及に貢献していくか、期待が膨らむばかりだ。

参考資料

会社概要

会社名 UtilityAPI
CEO Elena Lucas
創業 2014
拠点 アメリカ合衆国
社員数 1-10名規模
事業内容 電力会社から請求データを収集するプラットフォームの開発
主な商品 UtilityAPI
会社URL https://utilityapi.com

メンバー紹介

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(出典:UtilityAPI公式ホームページ

Elena Lucas(右)
創業者・CEO
カリフォルニア大学サンディエゴ校で、太平洋および国際情勢、国際経済(主に中国)を研究。修士号を取得後、民間電力会社Pacific Gas and Electric Campanyにて、金融アナリストとして勤務。2014年に退職し、Daniel Roesler氏と共同でUtilityAPI社を設立。2016年、経済誌Forbesが発表した「30歳以下の注目すべき30人(エネルギー部門)(参考:Forbes)」の1人に選出され、現在勢いに乗っている若手女性CEOである。

Daniel Roesler(左)
創業者・CTO
テキサス大学オースティン校・工学部化学工学科を卒業。ソーラー発電の開発経験を持つCTOである。UtilityAPI社を設立する前、Fitocracy社でもCTOを務めた経験があり、クラウド型健康管理ソフトウェアを開設。ユーザー数は世界で120万人にも達している。

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SAKIGAKE編集部

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