「こんなカードのサービスがあったら…」を実現する開発者向けプラットフォーム-Marqeta

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実店舗でも、オンラインストアでも買い物の際に活躍するプリペイドカードやクレジットカード。現在でも銀行や大手ショッピングモール、携帯電話会社、ECサイト運営会社などからそれぞれ独自のサービスを備えた様々なカードが発行されている。そんなカードの発行会社がカードの利用を管理するのに役立つ技術を一つに詰め込んだ、アプリケーション開発用プラットフォームを生み出したのがMarqeta社である。

世界初の「カード支払い認証」技術開発用プラットフォーム

Marqeta社が公開しているアプリケーション開発用プラットフォームは、クレジットカードやデビットカード、プリペイドカードといった支払い用のカード利用者が支払いをする際にその可否を決定する、という支払い認証機能を始め、カード発行会社がカードを管理するのに役立つ様々な機能を利用できるようになっている。
このプラットフォームが画期的なのはこうした認証機能の他、カードの管理に関わる様々な機能をカード発行会社の開発者がアプリケーションに搭載するためのプログラムをAPIとしてweb上でまとめて公開しているというところ。こうしたカード発行のための公開型のAPIプラットフォームを開発したのはこのMarqeta社が世界初だそうだ。
認証機能の他にも、具体的にはカード発行会社のサービスに合わせた下記のような設定ができ、更に不正利用の防止に役立つような機能も用意されている。

  • カードを利用できる店舗や業種(ホテル、レストラン等)を限定
  • カード利用者ごとの支払い金額、利用場所、利用時間といった各種データをリアルタイムで取得
  • カードへの入金が支払い時すぐできるように設定

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Marqetaプラットフォームでは、画像のようにカードの発行や支払いといった利用状況に関するデータをわかりやすく図式化して見ることができる。(出典:Marqeta)

アイデアを実現する立場から、アイデア実現を助ける立場へ

Marqeta社のはじまりは、創業者Jason Gardner氏のとある「ひらめき」であった。ある時Gardner氏が友人と夕食中、友人から「『日替りセール』の紙のクーポン券をどうやったら全部自分で管理できるだろう?」という話題が出た。そこで、Gardner氏には一つの考えが浮かんだのである。
「1つのカードにまとめてしまえばいいんじゃないか?店舗ごとに別々の残高から支払いのできるようなカードに。」―このアイデアが元となり、2010年にMarqeta社を創業。同社ではまず、プラットフォーム「+M」を開発。
このプラットフォームでは支払先の店舗ごとに別々に入金し、別々のサービスを受けられるMarqeta社独自のプリペイドカード「Marqeta Card」を管理することができ、まさに「店舗ごとに別々の残高から支払いのできるカード」の実現を可能にしたわけである。
しかしアイデアの実現だけにはとどまらず、Marqeta社はさらに一歩進んで、「こんなカードのサービスがあったら」という他社のアイデア実現を助ける技術基盤となる、現行の開発者向けプラットフォームを作りあげたのだった。
現行のプラットフォームは、中小企業向けオンライン融資サービスを展開するベンチャー企業Kabbage社の発行する企業向けカード「Kabbage Card」を始め、様々なカードの発行に役立っている。
現在のプラットフォームはカードを発行する企業の開発者向けという、カード利用者にとって少し馴染みの薄いものだが、その原型となったのはとても身近なアイデアだった。自らのアイデアの実現から、他社のアイデア実現を後押しするための立場へと進みつつあるMarqeta社。そのプラットフォームは、従来の形のあるカードだけでなく、インターネット上で利用できる形のない「バーチャルカード」や、先日日本でも話題となったApple社のモバイル決済サービス「Apple Pay」での支払いに利用するクレジットカードにもいち早く対応したりと、新しい支払い方法にも柔軟に対応している。インターネットを通じた支払いがより身近になるにつれ、カードの利用機会もますます増えて行く中で、「こんなサービスがあったら…」というアイデアをMarqeta社のプラットフォームが実現してくれることに期待したい。

会社概要

会社名 Marqeta Inc.
CEO Jason Gardner
創業 2010年
拠点 アメリカ合衆国
社員数 51-200人規模
事業内容 カード支払い認証用のAPIプラットフォームの開発
会社URL http://www.marqeta.com
沿革 2010年 創業
2011年 シリーズA投資ラウンドにてGreylock Partners社等より約550万ドルの投資を受ける。
2012年 「+M」プラットフォームをリリース。
2013年 シリーズB投資ラウンドにてGreylock Israel社等より1400万ドルの投資を受ける。
2014年 現行のカード支払認証APIプラットフォームを発表。
2015年 シリーズC投資ラウンドにて2500万ドルの投資を受ける。

メンバー紹介

Jason Gardner

Jason Gardner
CEO・創業者
アリゾナ州立大学で政治科学の学士号を取得。セールスマネジメントの仕事を数多く経験した後、ITベンチャー企業Vertical Thinkを起業。2004年には賃貸・リースの決済プラットフォームを開発するProperty Bridge社の創業に携わり、同社の代表を務めた。リゾート運営会社のClub Medに務めたり、ジョン・マケイン上院議員の連絡係を務めるという異色の経験も持つ。

Eric Bachman

Eric Bachman
COO
カリフォルニア大学バークレー校卒業。様々な金融、技術系企業で製品開発やマーケティングの仕事に携わる。退職後の高齢者向けの金融商品検索サービスを提供するGolden Gateway Financial社を創業し、同社CEOを務めた。

Tony Ford

Tony Ford
CTO
Marqeta社入社以前はIGN Entertainment社でゲーム関連プラットフォームの開発チームリーダーを務めるなど、webアプリケーション・インフラ開発を10年以上経験してきた。

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SAKIGAKE編集部

SAKIGAKE編集部

海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
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