「Make Japan Great Again」-Startup East , Amos

CATEGORY: INTERVIEW

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今回のインタビューは、”Startup East”を創業されたAmosさんです。これまでのインタビューとは違い、VC兼インキュベーターの会社なので事業や経歴について深掘りするのではなく、数多くのスタートアップと接する中で気付いた、様々な「事実」を聞いてきました。
 

-優れたスタートアップを生み出すユダヤ教徒のビジネスの基本

どんな事業をされていますか?

Amos:企業に投資するだけでなく、ビジネス開発やインキュベートなどに力を入れたよりスタートアップに近いベンチャーキャピタルをしています。創業は2013年でこれまでに30社以上のスタートアップをインキュベートし、数社に投資を行ってきました。現在はテルアビブ、シンガポール、中国などアジアの主要地に支社を作っています。

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(引用:Startup East)

 

イスラエルとそれ以外のスタートアップの大きな違いはなんですか?

Amos:サムライインキュベートさんとかぶらないように少し違う目線から話したいと思います(笑)

まず1点目は、「ネットワークと情報をフルに活用する」ことです。イスラエル人の多くはユダヤ教で、ユダヤ教徒には商人の心構えのようなものが兼ね揃っていると思います。それは最も基礎的な「安く仕入れて、高く売る」というビジネスの法則を、APPLEのようにブランド力を強くして高く売って利益を出すのではなく、できるだけ安く仕入れて正規の値段で売り利益を出すというやり方を取ることです。
 

”人脈を利用して安く仕入れて、それを正規の値段で売ることがビジネスの基本”

 
Amos:安く仕入れるというと質を落としたり、人を騙したりすると勘違いされてしまいますが、そうではなくネットワークや情報を活用することで誰も見つけていない新たなビジネスを見つけるのが上手いということです。わかりやすく説明するために、”Uber”と”Gett(イスラエル発のタクシー配車サービス)”の例を上げたいと思います。

恐らく同じくらいの時期に、Uberは世界全体、産業全体を変えるような大規模な出資を受けたり、マーケティングを行い元々ドライバーでなかった人たちも巻き込んで強力なブランドを作る方向に進みました。一方でGettはタクシーの運転手に「俺達のサービスを使えば、今のタクシー会社よりも稼げるぜ」と既存のタクシードライバーに声を掛け、ゆっくりと確実に事業を進めていきました。

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(引用:Gett)
 
Amos:その結果Uberは世界的なブランドを築くことには成功したものの、免許証を持たないドライバー問題などが起きたのです。逆にGettは既存のタクシードライバーにしか声を掛けなかったので大きな問題は起きていません。かといって小規模に留まるわけではなく、今年の五月にフォルクスワーゲンから3億ドルの出資を受けています。このように同じ時期に始めてた同じ事業であっても、やり方次第で結果は異なります。
 

”ゼロから作らなければいけない移民ゆえのサバイバル精神”

 
Amos:2点目は、「イスラエルという政治的な逆境が生み出すハングリー精神」です。分散と集約を繰り返しているユダヤ教の歴史から、移民のユダヤ教徒についても話をしたいと思います。イスラエル以外で育ったユダヤ人は大学や、社会人になると様々な国からイスラエルにやって来きます。しかし例えユダヤ教の聖地とは言えども、友人や知り合いも多いわけではないので0からのスタートとほぼ同じです。

そんな移民はまさにサバイバーであると言えるでしょう。そして危機感に襲われる瞬間こそ人が最も強く貪欲になれるので、イスラエルで強い事業を作るのです。今度はそれまで住んでいた国で展開すれば、その時は逆にイスラエルに来る前に培ったリソースを使うことができ、有利に事業を展開できます。このような人が多いから、グローバルに事業を展開することができると思います。
 

-日本のスタートアップは海外にいけ

今後イスラエルで伸びる可能性のある産業は?

Amos:まず前提としてイスラエルはソフトウェアに強い。現在はアドテク、ビッグデータ、サイバーセキュリティー、ライフサイエンスなどの起業が多いと感じます。この先はおそらくいわゆるIOTの中でも、スマートシティーやスマートカー、スマートハウスなどのソフトウェアを活用したハード系のスタートアップも増えていくと思います。そしてそれは現在と同じように世界全体の市場を狙うものだと思います。

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イスラエルにはたくさんのスタートアップが生まれている(引用:Mapped in Israel)
 

日本のスタートアップをどう評価しますか?

Amos:日本は優秀なエンジニアも多いし、資金もあるのでイノベーションの環境はあると思っています。しかし唯一足りていないのが海外に展開するということです。支社はたくさん作っているし、現地に人を置いてはいるものの言語に問題があったり、恥ずかしいのかわからないけど非社交的な文化があるので、中々うまくいっていないと思います。
 

”言語と社交性の問題を乗り越えれば日本のスタートアップは飛躍する”

 
Amos:サムライインキュベートの榊原さんは単身でイスラエルに乗り込み、英語は流暢でなくても今のネットワークを築きました。海外展開の上で最も大切なことは現地の人材とどれだけ繋がって、強い関係を築けれるかだと思いますが、それよりもまず島を出ることをしなければ始まらないと思います。是非今後日本を飛び出して挑戦するスタートアップが増えれば良いと思います。まさに”Make Japan Great again”ですね(笑)

-編集部より

いつものインタビューとは全く違う話が聞けました。特に面白かったのはユダヤ教徒の移民はサバイバーという話で、生まれた土地を離れイスラエルという異国の地で技術力を付け、イスラエルでは内需がないので自国に帰って事業を有利に展開するというまさに一石二鳥の方法はとても有効だと思いました。

是非日本でも海外に早く出て、それを日本で展開するという人たちが増え、MAKE JAPAN GREAT AGAINをしてほしいです。
 

インタビュイー

Amos Avner

Amos Avner
CEO
イスラエル軍隊の電子機器部門で任務を務め、卒業後報道会社で記者として2年ほど働く。その後テルアビブ大学で起業家の育成プログラムのディレクターとして勤務し、その後はシンガポールの大学でもメンターとしてアジアの起業家に指南していた。その後スタートアップでのボードメンバーとして事業を作り、2013年にstartup eastを創業した。

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SAKIGAKE編集部

SAKIGAKE編集部

海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
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