人工知能の技術でビットコインの不正利用を防ぐ-Skry

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インターネット上で簡単にやり取りできる仮想通貨「ビットコイン」。従来の金融システムと異なり、銀行を介さず、国境を越えて、しかもほぼ匿名で受け渡しができるという自由なところが注目を集めている「通貨」だ。しかしその取引の自由度ゆえに、詐欺、そしてマネーロンダリングといった不正利用も起こりやすいのが現状となっている。Skry社は、こういったビットコインの取引における犯罪をいち早く検知し、リスクを回避するのに役立つ人工知能プラットフォームを開発した企業だ。

ブロックチェーンのデータから、不審な取引を徹底検知

Skry社の人工知能プラットフォームは、「ブロックチェーン」と呼ばれるいわばビットコイン専用の「台帳」のデータを分析することにより、取引における不審な行動を検知・予測する。ブロックチェーンはビットコインの全取引履歴を当事者の個人情報を匿名化して記録し、インターネット上に公開することで誰でもその履歴を確認できる巨大なデータベースだ。Skry社のプラットフォームはこの莫大なデータを深層学習のアルゴリズムによって分析することにより不審な取引を自動で、素早く、正確に見つけ出すことだけでなく、取引データをマップ化し、分析することで取引の危険度を予測して数値化して予測することも可能だ。
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画像はSkry社のロゴ。社名の由来は「水晶玉を使って未来を予知する」という意味の単語「scry」である。
(出典:Skry公式ページ

ブロックチェーン技術の発展に伴い、事業拡大へ

ここでビットコインの「台帳」として紹介したブロックチェーンは、元々ビットコインの流通のために開発されたものであるが、その技術は様々な分野で応用されつつある。ブロックチェーンは記録データをネットワーク上に分散することによって、たとえ一つのサーバーが何らかのダメージを受けてもすぐに復旧できる仕組みになっている。この画期的な仕組みを、ビットコイン以外の金融や医療といった分野でも活用しようという動きが高まっているのだ。

この流れを受けて、Skry社は2016年4月にCoinalyticsから現社名に社名を変更し、同社ブログによれば、社名変更の背景としては「ブロックチェーン、ビッグデータ分析、人工知能の技術を統合したプラットフォーム」によって、「ビットコインの不正利用の防止」以外にも事業の幅を広げていきたいという考えがあるようだ。またこの社名変更に伴い、新たに人工知能分野の専門家であるAkash Singh博士、Masond Nikravesh博士がSkry社のメンバーに加わり、翌5月にはLinux Foundation社主催のブロックチェーン技術開発プロジェクト「Hyperledger Project」に参加するなどの躍進を見せている。

会社概要

会社名 Skry Inc.
CEO Fabio Federici
設立年 2014年
拠点 アメリカ合衆国
社員数 2-10人規模
事業内容 ブロックチェーン分析人工知能プラットフォームの開発
会社URL https://skry.tech
沿革 2014年 創業
2015年 The Hive社等からシードラウンドにて110万ドルの投資を受ける。
2016年 CoinalyticsからSkryに社名変更、Akash Singh博士、Masoud Nikravesh博士が入社。Hyperledger Projectに参加。

メンバー紹介

Fabio Federici

Fabio Federici
CEO・創業者
ドイツのBusiness and Information Technology Schoolにて理学士号を取得。スイスのフィンテック企業nexussquared社の指導者も務めている。シリコンバレーのスタートアップ投資ファンド「500 Startups」の養成プログラムにおいてSkry社を起業した。

Akash Singh

Akash Singh
CTO
人工知能分野で博士号も取得しているAI・ビッグデータのスペシャリスト。元Huawei社のCTOで、IBM社では研究・開発主任を務め、同社の人工知能プラットフォームWatsonの開発にも関わった実力者。

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SAKIGAKE編集部

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