「AppleやFacebookのような10年に一度の奇跡を信じるな」-DOGIZ

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今回のインタビューは、”Dogiz”を創業したAlonさんです。イスラエルと聞くとテクノロジーの色が強いプロダクトアウトの起業が多いというイメージを持っていましたが、ペット産業という一見テクノロジーがなさそうなところでビジネスを始めたAlonさんには勝算があってこの産業を選んだそうです。その理由を聞いてきました。

Alon Zlatkin

Alon Zlatkin
DOGIZ CEO
2010年にWild Felines walkerという足の悪い猫をサポートするボランティア活動をしていた。そしてアフリカの”Foundations Establishment”で1年4ヶ月プロジェクトマネージャーとして働いたあと、Intelで3年間インターンをする。その後Dogizを創業した。

ローテクのところを狙っていく

どんな事業をされていますか?

DOGIZ
「Dogiz」というペットを持つ人がスマホ1つでプロのペットケアを受けさせてあげることのできるアプリを開発しています。現在はiOSとAndroid向けのアプリをローンチしており、月間300,000件以上の問い合わせを頂いています。個人向けではなく、企業の福利厚生の一つとして導入してもらうB to B to Cモデルを用いています。プロのトリマーは全て資格や何かしらの認可をもった証明がないと登録できないようにしているので、弊社のサービスのクオリティーは高いです。またイスラエルだけでなく、イギリスにも進出していてこれから更に地域を拡大させながらweb版も対応させていくつもりです。

どういうきっかけで今の事業を選びましたか?

現在ペット産業は世界で6兆円の市場規模があり、非常に大きいです。資本主義の中で更に労働が増えていくと、必然的に人は忙しくなりペットを世話する時間は減っていきます。更に最近では未婚でペットを子供のように扱う人も増えてきており、ユーザーのロイヤリティも高くなることが自明だったのでこの事業を選びました。また2つめの理由としてまだまだテクノロジーが活用されていなかったからです。僕からすればスタートアップは24時間営業のコンビニのようにお金が尽きるまで営業し続けます。早くキャッシュを作らなければ閉店してしまいます。そうなったときに僕はもともとエンジニアのバックグラウンドがありませんでしたので、できるだけテクノロジーが入っていない領域で早く勝つことがその閉店を免れる道でした。

ファーストドメインを選ぶ上での大切な要素を教えてください。

  1. タイミング
  2. プロダクトの調整
  3. マーケット
  4. 実行力のあるチーム

だと思います。
タイミングはユーザーのニーズの強度のことで、まだそのニーズが潜在的すぎると利用されず、逆に顕在化しすぎると競合が増えるのでギリギリの水面下で始めることが大切です。
プロダクトの調整は主にローカライゼーションのことで、その地域の文化や風習に習ってマーケティングしないと拒絶されてしまいます。ですので理想としてはその国で生まれた人をパートナーに付けることが最も効率的だと思います。現に今のイギリス進出もチームメンバーがイギリス人だったというところから来ています。
3つ目のマーケットは小さいところでいくら頑張っても会社は大きくならないのでやはり大きな市場で始めることは必須だと思います。
最後に実行力のあるチームですが、会社が何度もピポッドしたとしてもチームは変わりません。どんなところでもどんな状況でも頑張れるチームを作ることが創業する上で最も大切だということを自分も痛感しました。

海外展開に必須なものは「現地のネットワーク」

イスラエルから海外展開を狙うために必要なことを教えてください。

  1. 小さなスタートでニーズを証明する。
  2. マーケットに集中する

まず前提としてニーズを証明することがとても難しいと思います。これはどの国だろうが一緒で、例えそのニーズを持つ人数が多くなくともそのニーズがあることを証明できなければどんなビジネスも続きません。逆に一度でも証明できればどこにいったとしても多少の苦労はあったとしても展開は可能です。
二つ目の「人」の部分は先程言ったように現地のことをよくわかる人に協力してもらうことが必要だと思います。
そして最後にマーケットに集中することで、もともと少ないアセットのスタートアップは広く戦おうとしてはいけません。どこか一つのセグメントに特化することで全てのリソースを注力することができ、早く結果が出ると思います。

10年に一度の奇跡は信じるな

「起業して成功したい!」という若者にどんなアドバイスをしますか?

まず言いたいのは10年に一度の奇跡を信じるなということ。AppleやFacebookのようなスタートアップはほんの一握りの存在です。そして同時に彼らも、どのスタートアップも決して効率の良い成功方法なんてありません。最も大切なことは「やる」ことです。失敗はスタートアップをする上での付き物です。とにかくやり続けることでしか結果はでません。ではなぜそこにAppleやFacebookとなかなか成功できないスタートアップがあるかというとそれはラッキーだったから位に考えたほうが良いです。実行力のあるチームで日々やり続けることでしかその運を手繰り寄せることは出来ません。日々やり続ける。これが最も大切だと思います。

編集部より

総じてとてもリアリスティックな方だと感じました。でもその分発する言葉には重みがあって、とても納得させられました。「効率の良い成功なんてない」、「10年に一度の奇跡は信じるな」など一見ネガティブに聞こえますが、そのためにはコツコツやり続けることが大切だという話は避けても通れない事実です。ふと中学生の時に通っていた塾の教訓が「コツコツ勝つコツ」という話を思い出しました。

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SAKIGAKE編集部

SAKIGAKE編集部

海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
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