インプラント治療が変わる!電磁界が口腔環境を劇的に改善?!-Magdent

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インプラント手術成功に重要なファクターは何か、ご存知だろうか?
それは骨量と骨質であり、この回復・再生具合が術後に大きな影響を与えているという。これまでこの問題解決のためにインプラントの形状、材質などで改良が進められてきたが、全く別の観点から新たな装置を開発したのがイスラエルの企業、Magdent社だ。

インプラントの現状

1910年に歯茎に筒状の金属(インプラント体)を埋め込みその先端に歯冠を乗せるという、現在のようなインプラントの形が始まったとされている。当初はあまりに予後が悪く、その原因はインプラント体周辺の周囲炎(雑菌が入ることによる歯周病のようなもの)とされていた。周囲炎が起きるとインプラント体周辺での骨形成が阻害され、また逆もしかりである。1952年には、より骨と結合しやすいチタン材料が使用されるようになり、さらに1990年代には生体材料やフッ素コーティングなどの表面加工技術の発達で大きく改善されてきたが、現在の治療法は以降ほとんど変わりなく、頭打ち状態と言える。また、インプラント埋め込み手術後、骨が治癒し歯冠を接続するのに3-6か月、さらに骨のグラフト形成の必要がある場合は9か月もの時間がかかることがある。この長いプロセスにも関わらず失敗の原因は、成功した場合と比較して骨質の悪さが20%、不十分な骨量が30%有意に高いデータが示されている。この骨質と骨量の問題は特に高齢者に多く認められ、深刻な問題となっている。
(参考:Wikipedia

Magdent MEDの効果

Magdent社が開発したのは、インプラント体の材料でも加工技術でもなくインプラント体と歯冠を接続する連結部の〝アバットメント〟である。正確には本物の歯冠を乗せるまでに使用するアバットメントキャップにあたるが、これを歯科インプラント市場向けの Magdent MED(超小型電磁デバイス)としたのだ。コイル・バッテリー・電子回路を内蔵したアバットメントキャップをインプラント体に乗せることで、発生した電磁界が骨形成を促進させる。整形外科などで骨折した部分に電気をあてる治療のイメージが近いかもしれない。しかしMagdent MEDはその都度通院する必要もない。そしてMagdent MEDを使用しない治療と比較して、3倍の速さの骨生成を示したのだ。

Magdent MEDを使用した骨形成イメージ

またこの電磁パルスは周囲炎を抑える効果も示している。

Magdent MEDを使用した周囲炎治療イメージ

これらの治療効果によって処置時間および来院回数が減少し、患者の負担軽減となる。また骨形成の速さゆえに、骨へのダメージが抑えられることで再手術の可能性が低くなり、インプラント手術自体の成功率が上がる。まさにインプラント患者とその医師達が求めていた製品なのである。

インプラント市場の未来

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インプラントとその補綴(ほてい:歯の欠損を義歯・金属冠・継続歯などの人工物で補って、機能を回復させること)市場は2016年から7.2%の年平均成長率を示し、2021年には1232億ドルに到達すると試算されている。(参考:Markets and Markets
インプラントはヨーロッパが最大の市場であるが、ドイツ・アメリカそして日本はインプラントの市場においてはまだまだ発展途上であり、近年の人口の高齢化も相まってインプラントの需要は拡大することが予想されているためだ。この市場の拡大を見越してか、世界にはインプラントの各分野に特化したスタートアップ企業が数多く存在している。Magdent社もインプラント術後の骨形成に特化した技術者が結集した企業である。CEOのDr. Shlomo Barakは口腔外科や歯科で45以上の記事や研究を発表している、国際的に著名な口腔外科医である。CMOのDr. Moshe Neumanは現在のテクノロジーを使用してインプラントデバイスの課題に対処するためにMagdent社を設立した、経験豊富な歯周病医である。また、スタッフの中にはイスラエルのNovel Power Systemsというパワーエレクトロニクスの最先端の技術会社を設立している電源開発のスペシャリストも存在している。

Magdent社はイスラエルのスタートアップコンサルタントであるトレンドライングループや他の個人投資家の支援を受け、2016年には80万ドルの資金調達を達成した。2012年にMagdent社が掲げた、臨床研究・マーケティング・初期生産のために設定した試算資金100万ドルまで、あとわずかである。これからのインプラント治療になくてはならない高い技術力を有する、将来有望な企業である。

会社概要

会社名 Magdent
CEO Dr. Shlomo Barak
設立年 2010年
拠点 イスラエル
社員数 1-10人規模
事業内容 歯科インプラント市場向けの MED(超小型電磁デバイス)の開発・販売
主な商品 Magdent MED
会社URL http://magdentmed.com/
沿革 2010年 Magdent社設立
2016年 80万ドルの資金調達

メンバー紹介

Dr. Shlomo Barak

Dr. Shlomo Barak
創設者、最高経営責任者(CEO)兼取締役会長
1985年8月–2003年8月 イスラエル最大の歯科グループMaccabidentの創設者およびCEO

2007年1月–2012年8月 Hillel yafe medical center&private clinic in tel avivの歯科医および弁護士

2010年 Magdent社の設立、アドバイザーに就任

2013年1月–現在 Magdent社のCEO 兼取締役会長

Elad yakobson

Elad yakobson
COO
2009年10月-2010年10月 UPS社でソートセンターマネージャー

2012年5月-2014年11月 nur-Esh社でビジネス&オペレーションコンサルタント

2014年11月-現在 Magdent社 COO

Dr. Moshe Neuman

Dr. Moshe Neuman
創設者、CMO
歯周病におけるアメリカンボードの免状を持つ、インプラントの分野において、歯周病専門医

2010年–現在 Magdent社を設立、CMO

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SAKIGAKE編集部

SAKIGAKE編集部

海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
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