空飛ぶソフトウェア。鳥人(超人)が生み出した太陽光発電の未来 – SolView

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創業わずか3年で、アメリカを初め世界中のソーラーシステム企業から問い合わせが入るスタートアップ企業があります。技術力が彼らの優れている点の一つであることはたしかに間違いありませんが、それ以上に、市場をまるで獲物を狙うかのうように見渡す「目」が、彼らには備わっていました。

人がもつ視野の限界

私たち人間の目は、顔の平面上に左右に並び、まっすぐ前を見るように配置されているため、その視野角は前方180度に限られ、背後はもちろん、真横を見るためですら、いちいち身体をその方向に動かさなければなりません。

「イーグル・アイ」という言葉があるように、この地球上で最も優れた視覚をもつと言われる鷲の目は、顔の真横、人間で言えば耳の位置に飛び出すようについていることから、周囲340度を見渡すことができる上、その視力は人間の10倍、さらに色を識別する能力は、紫外線の色がわかるほど鮮明で、私たちにはとても判別が使いないものであっても、鷲はその中からはっきりと獲物の姿を捕らえることができるそうです。

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(出典:Grant MacDonald @Flickr

超人的な視野を手に入れるために

イーグル・アイのような視覚能力を手に入れることができれば、私たちの生活は革新的に変化することは間違いありませんが、さすがに目を顔の真横につける整形手術を行うことは不可能であるため、私たち人間は、技術によって様々な発明を生み出してきました。

Googleが提供するGoogle earthは、まさに人間の視覚を拡張しようという試みの一つと捉えることもでき、目の前180度の中で見えるPCの画面上に、地球全体を映し出し、まるで鷲のように狙ったところにズームすることで、目線を動かすことなく、一つ一つの建物をも鮮明に捉えることを可能にしてくれました。

さらに、この革新的な技術を応用し、人間の視覚能力を一層高めたかのようなソフトウェアを提供するのが、ソーラーシステム用のソフト開発する「SolView」という企業です。
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(出典:Abdessamad @Flickr

上空から狙う獲物は、世界中の”屋根”

ソーラーシステムを販売する企業向けにソフトウェアを開発するイスラエルの企業、SolViewが開発したバーチャル・キャンバサー(Virtual Canvasser)というオンラインサービスは、その名の通り、国や都市を上空から一つのキャンバスのように捉え、各家庭の屋根を一瞬で識別し、屋根のスペースを計測、そこにメーカーが販売するソーラーシステムが設置可能かどうか、またそこに集まる太陽光の量はどの程度で、どれくらいの電気料が節約できるかを算出するというものです。

通常、メーカーがソーラーシステムを各家庭に設置するためには、いちいち各家庭に電話で訪問スケジュールを聞き、現地にいってドアをノックし、一軒一軒で設置スペースを計測することが当然に行われていましたが、バーチャル・キャンバサーを使えば、オンライン上で住所や郵便番号を入力するだけで、画面上にそれらの情報を瞬時に表示することが可能です。

ある試算によれば、メーカーが一人の新規顧客の獲得に支出する費用は4,000ドル(約50万円)とも言われ、こうしたマーケティング費用や人件費、そして時間や労力など、あらゆるコストを削減できる革新的なサービスだと言えます。
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(出典:SolView公式ページ

世界の全てを見渡し、問題を見つけられる目

創業者でCEOのオフェル・サドゥカ(Ofer Sadka)氏は、バーチャル・キャンバサーの革新性は、”自動的に識別する”点にあるし、「アナログな方法でやれば、他の企業でも同じアウトプットを出すことは可能です。私たちの優れた点は、これを自動で行うこと、つまり、非常に大きな範囲で実施可能だということです。」とその特徴を説明します。

消費者がソーラーシステムを導入する際、最も懸念される点は、導入コストや月々の電気代などコストに関わることで、サドゥカ氏によれば「全ての大企業が顧客を獲得するためのプロセスをより短く、より早くする方法を探している」と語っていて、SolViewが提供するサービスが、ソーラーシステムに関わる全ての企業に多大な貢献をもたらすことを示唆しています。
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(出典:Green Pfofet

次の起業家に求められる、「広い視野」

SolViewのオンラインサービスは、2013年に提供開始し、主にアメリカの個宅向けソーラーエネルギー企業で多数導入が決まり、いまではイギリスやインド、中国など、多数の企業から問い合わせが来ているそうです。SolViewがこれほどまでに急成長している理由には、人の視野を拡張したような革新的な技術はもちろんですが、何より、創業者であるサドゥカ氏自身の「広い視野」を欠かして語ることはできません。

彼が実践してきたことは、企業や消費者はもちろん、地球全体に貢献できる商品を提供するために、市場の課題を分析し、本質を捉え、根本から解決するソフト開発に取り組んだこと、言い換えれば、地球レベルで問題を捉え、全てのステークホルダーに貢献しようとする広い視野を持ち続けていたことで、これこそが成功の最も大きな理由なのではないでしょうか。
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(出典:Kevin Baird @Flickr

会社概要

会社名 SolView
CEO Ofer Sadka
設立年 2013年
拠点 イスラエル
社員数 1-10人規模
事業内容 太陽光発電システム導入に関するソフトウェア開発
主な商品 Virtual Canvasser
会社URL http://www.solview.com/

メンバー紹介

Ofer Sadka

Ofer Sadka
CEO/創業者
15年以上の視覚認識分野でのソフトウェア開発経験を持つ。前職は、SamsungやIntelと商業契約し、Texas Instrumentsと戦略提携等をするXTR3Dに勤務。コンピューター工学の学士号、Tel-Aviv大学でMBAを取得。

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SAKIGAKE編集部

SAKIGAKE編集部

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