「リング」で尿路を確保!前立腺肥大治療の最前線-ProArc Medical

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前立腺肥大は、50歳で30%の人に見られる頻度の高い症状で、年齢とともに割合を増していく。ProArc Medicalが開発したClearRingは、リング状のインプラントを用いることで、安全に素早く、簡単に前立腺肥大の症状を改善するデバイスである。

前立腺肥大症とは?

前立腺は男性のみに存在する器官で、精子の一部を分泌し、尿道を包み込むようにして存在している栗ほどの大きさの器官である。前立腺肥大症では、加齢により前立腺が肥大化して尿道を圧迫することにより、様々な排尿障害を引き起こしてしまう。現在の前立腺肥大症の治療としては、まず薬物治療が行われ、改善が見られない場合や、症状が重い場合には手術治療が行われる。
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膀胱(Bladde)の下にあるのが前立腺(Prostate)。前立腺が肥大すると、画像では開けている尿道(Open Urethra)が圧迫され、頻尿・排尿遅延・残尿感などの症状が出る。
(出典:ProArc Medical公式ページ

ClearRing-「リング」で尿路を再形成&維持

イスラエルに拠点を置くProArc Medicalは、前立腺肥大治療のための独自のデバイスClearRingを開発している。その仕組みは以下の通りだ。

  1. 膀胱鏡を使い、前立腺で閉塞した部位にClearRingを挿入する
  2. バルーンが閉塞部位で膨らむことで、周辺組織を押し広げ、リング状のインプラントが挿入予定部位に配置される。
  3. 簡単に行える操作で素早く前立腺組織に輪状切開を行い、同時に組織の内側にインプラントを埋め込む。
  4. インプラントを残して装置を引き抜くと、リングにより前立腺が脇に押されたまま固定され、尿路を確保できる。


ClearRingが尿道に挿入され、前立腺を押し広げ通路を作るまでの仕組みが分かりやすく紹介されている。
ClearRingを用いることによるメリットは、素早く安全に、簡単に症状を改善できることだ。その他にも侵襲(体を傷つけること)を最小限に抑えられること、性機能の維持、術後の早期回復、ローコストで行えることなど、今まで満たされていなかった患者のニーズに応えるものとなっている。

数々の出資を受け、初の治験も成功

ProArc Medical氏はMisgavベンチャーアクセラレータを卒業し、イスラエルのアーリーステージ投資グループであるトレンドラインズグループ(The Trendlines Group)や、自社資本と関連のポートフォリオ企業を通して150億ドル以上の資産を運用しているマルチストラテジー投資会社であるコロンバスノバ(Columbus Nova)、アメリカの個人投資家、イスラエル政府によるベンチャー企業支援プログラム「OCS」などから出資を受けている。また、ClearRingは既にヨーロッパでの初回投与試験を終え、治験後6か月の追跡調査期間でも安全かつ効果的であるというデータを得ている。

前立腺肥大は、男性にとって珍しい病気ではない。患者や医師にとって、新たな有用かつ安全な選択肢が増えることが期待される。

会社概要

会社名 ProArc Medical
CEO Shai Golan
設立年 2010年
拠点 イスラエル
社員数 1-10人
事業内容 下部尿路機能障害のための医療機器開発
主な商品 ClearRing

メンバー紹介

Shai Golan

Shai Golan
CEO
医療機器と軍事産業において、システムエンジニア、プロジェクトマネジャー、プログラムマネジャー、プロダクトマーケティングマネジャーとして15年以上にわたり様々な分野のプロジェクトを率いる。ネゲブ・ベン=グリオン大学にて電気工学、コンピュータ工学で理学士と理修士の学位を取得。

Yair Feld

Yair Feld
創業者・取締役
生命科学系の企業、研究開発プログラムを15年以上にわたり運営。GeneGrafts、 CorAssist Cardiovascular、 Nepheraなどの医療技術企業を設立。テクニオン – イスラエル工科大学にて生理学、生物物理学で学士号と博士号を取得。

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SAKIGAKE編集部

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