宇宙への道を刃の如く切り開く企業-Saber Astronautics

CATEGORY: GENIUS

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「地球は青かった。」という名言を残したユーリイ・ガガーリン。彼が世界初の有人宇宙飛行を果たしたのは1961年である。それから半世紀が過ぎ、科学の急速な進歩によって人類は宇宙を当時よりも身近に感じられるようになった。しかし、宇宙に行くことが安全であるという保障はない。如何に高性能な宇宙船であっても、通る道が不明瞭であったり、危険見積もりがなかったりすると安全とは言えない。Saber Astronauticsはその問題点に注目し、誰もが宇宙へ簡単かつ安全にアクセスできることを目指すスタートアップ企業だ。

宇宙事業の最先端を行く経験豊富なメンバーたち

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個性豊かなSaber Astronauticsメンバー
(出典:Saber Astronautics公式ページ

メンバーはハッブル宇宙望遠鏡や国際宇宙ステーションといった国際プロジェクトに参加した技術者たちを中心に構成されており、そこにアメリカ陸軍や空軍宇宙軍団に所属していた元軍人がアドバイザーとして加わっている。彼らは長年の経験を活かして、独自のソフトウェアPIGIを開発。それを用いて宇宙船や人工衛星の軌道経路を算出し、かつ的確な判断力を持った人材の育成に励んでいる。

軌道経路の算出による安全性向上

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PIGIによって算出された宇宙船の軌道経路
(出典:Saber Astronautics公式ページ

Saber Astronauticsが提供する管制ソフトウェアPIGIは、あらゆる角度から宇宙船の遠隔計測装置と宇宙環境の間に生じる相互作用を再現することが出来る。実際に宇宙船の操縦席に取り付けられる訳ではなく、宇宙船を打ち上げる前の軌道経路研究や算出の段階で用いられるのが特徴である。過去に他社と協力して打ち上げた人工衛星の開発によってこの技術を伸ばし、自動修正ソフトウェアとして実用化したのだ。PIGIによりオペレーターは不測の事態によって生じる結果とその原因を見積もることができ、その算出結果を次のサブシステム形成に繋げるのだ。そのため、周囲環境を的確に捉えられる精度の高い自律型宇宙船の開発にも一役買われている。また、PIGI Academicという訓練クラスを通して、与えられた状況に対して素早く的確な判断を下すことが出来るオペレーターの育成にも成功した。

最新技術を研究へ導入

現在Saber Astronauticsは新型タッチパネルやバーチャルリアリティー技術を駆使して、新しい宇宙船司令をテストしている。人工衛星システムの画面ビューではポイント&クリックが可能になり、オペレーターは必要な情報を操作できるようになった。また、より鮮やかなグラフィックも優秀なオペレーターを育てるのに欠かせない要因となっているのだ。

アポロ計画の例もあるように宇宙船の開発や宇宙事業には失敗や危険が付き物であり、時には人の命にも拘わる。しかし、Saber AstronauticsのPIGIを用いる事により、その危険性は大きく減ると私は感じた。軌道経路やそこで起きやすいトラブルを事前予測できることはオペレーターにとって心強く、対応策は自信に繋がる。宇宙事業の安全を守るSaber AstronauticsのPIGIの発展は今後も要チェックだ。

会社概要

会社名 Saber Astronautics
CEO David Banitt
設立年 2007年11月
拠点 オーストラリア NSW(ニュー・サウス・ウェールズ)
社員数 1-10人規模
事業内容 ソフトウェア、アプリケーションの研究開発、人材育成
主な商品 PIGI
会社URL https://saberastro.com/
沿革 2007年11月 創業
2011年8月 インターンシップ制度を開始
2013年1月 オーストラリア-インド間における宇宙共同活動への貢献が認められ二国間協議にてグランプリを受賞
2013年6月 NASAの放物線飛行計画に抜擢
2013年11月 The World Technology Networkに加盟
2014年3月 オーストラリア-インド間の宇宙プログラムを開始
2014年6月 自動修正アビオニクスの開発のためにNASAより中小企業技術革新研究プログラムを受ける
2014年9月 The Jefferson Country Innovation FaireでBest Technical Achievement賞を受賞
2015年5月 PIGI Academic Licenseを開始

メンバー紹介

Zach Becker

Zach Becker
Original Founder
Saber Astronauticsの創設者であり国防に通じている彼は、ビジネス管理において19年の実績を誇る。事業の成功を考えて、会社の幹部たちと密接に関わり強固な経営管理を築いている。また、他社との契約や合弁事業、収益成長率や事業費用といった金銭面における管理にも尽力している。

Will Butler

Will Butler
Original Founder
Zach Baker同様、Saber Astronauticsの創設メンバーである彼は、HTMLやPHP、XMLといったプログラミングの分野において高い能力を発揮している。Principia Collegeにて太陽電池自動車“Ra”の制作に技術者として携わり、その分野で高い評価を得ているMITやStanford UniversityをAmerican Solar Challenge Raceで破った実績がある。

Dr. Jason Held

Dr. Jason Held
CEO
元アメリカ陸軍少佐。アメリカ戦略軍のためのArmy Space Support Teamの指揮官を務め、軍事宇宙ミッションにも携わった経歴がある。ハッブル宇宙望遠鏡に搭載された広視野カメラの航行ソフトウェアに関して技術者として関わり、国際宇宙ステーションのテストにも携わった。University of Sydneyで航空宇宙メカトロニクスの博士号、Virginia Military Instituteでコンピューター科学の学士号を取得している。

Shawn “Gizmo” Price

Shawn “Gizmo” Price
COO
システムエンジニアとして20年の実績があり、ソフトウェアのデザインや導入、検証と妥当性確認、研究開発プロジェクトに携わった。国防や航空宇宙、医療に携わった経歴があり、あらゆる分野において自動制御装置の研究調査を行ってきた。

Dr. Alex “Galaxy” Green

Dr. Alex “Galaxy” Green
Scientist (Robotics)
2003年にUniversity of Technology Sydneyを首席で卒業し、その後University of Sydneyでロボット工学の博士号を修めた。大学ではアルゴリズム開発や重量車両を自動操縦するためのソフトウェアア開発を学んでいた。アメリカの警察や民間産業で現在使用されている遠隔通信基盤をデザインした経歴を持つ。また、軍需製品メーカーのRaytheonや世界的に有名なコンピューターネットワーク機器開発会社のCISCOと大型プロジェクトを行ったこともある。

Dr. Timothy “Magneto” Meehan

Dr. Timothy “Magneto” Meehan
Scientist (Biochem)
University of North Carolina時代に分析化学の博士号を取得しており、14年にも及ぶ実践的な研究から得た経験を用いてSaber Astronauticsを科学の分野で支えている。幹細胞から作られる人工細胞の研究開発やカーボンチューブ性の化学センサーの製造にも携わっている。

Michael “Montey” Lamont

Michael “Montey” Lamont
SATCOM Engineer
衛星通信庁の技術者として7年間の経験がある。その経験を活かして、ITやコンピューター関連での支援や地上局のメンテナンスを担っている。

Michael “Dr. Daniel Bunker

Dr. Daniel Bunker
Scientist (Aerospace Medicine)
University of Sydneyで薬学や航空宇宙工学、外科医学で学位を修め、航空医官として活躍。世界初の宇宙で飲めるビールVostok Space Beerプロジェクトの研究サポートもしている。2013年には主幹研究員としてNASAのFlight Opportunities Programに参加した。

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SAKIGAKE編集部

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海外のスタートアップ、テクノロジーに関する最新情報を発信していきます。 海外の起業家たちが、何の課題に目を向け、どんなことを仕掛けようとしているのか。 最新技術だけでなく、未来を創ってきた人や、これから未来を創ろうとしている人の生活・人生もご紹介します。
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